聖書の学び-使徒言行録
初代の信仰に学ぶ

No.39

「イエスはキリスト」
(使徒言行録11:19−30)

 「ステファノの事件をきっかけにして起こった迫害のために散らされた人々は、フェニキア、キプロス、アンティオキアまで行った。…彼らの中に、ギリシア語を話す人々にも語りかけ、主イエスについて福音を告げ知らせた。…アンティオキアで弟子たちが初めてキリスト者と呼ばれるようになったのである。」

 救いは、全世界の人々に備えられた神さまの賜物です。エルサレムの教会は、ユダヤ人伝道から世界伝道へと、最初の一歩を踏み出していました。今度は、ギリシア人に福音を伝え始めたアンティオキアの教会が紹介されます。
 

 ステファノの殉教の死とそれに伴う迫害の結果、多くの信徒がエルサレムを逃れ、あらゆる地方に散らかされました。神さまは、彼らの苦しみを祝福に変えてくださり、彼らの証しによって多くの地方に新しい教会が誕生しました。
 

 アンティオキアは地中海の東北の海岸にある大都会で、当時の人口は50万人もあったそうです。アンティオキアは貿易の中心地であったので、多くのユダヤ人の商人も住んでいました。アンティオキア教会の最初の信徒たちはユダヤ人でしたが、彼らはギリシア人にも福音を伝え始めました。ギリシア人も素直にイエスさまを信じるようになりました。
 

 「イエスはキリストである」と彼らは自分の信仰を表現していました。「キリスト」という言葉はギリシア語で、救い主を指しています。まわりの人々がこの信仰を見て信徒たちを「キリスト者」と呼ぶようになりました。最初はあだ名のように聞こえた名前が、信徒たちにとって誇りに思えたでしょう。


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