聖書の学び-使徒言行録
初代の信仰に学ぶ

No.38

「外に向けて」
(使徒言行録11:1−18)

「ペトロの言葉を聞いて人々は静まり、『それでは、神は異邦人をも悔い改めさせ、
命を与えてくださったのだ』と言って、神を賛美した。」

 コルネリウスの家に集まった人々がペトロの説教を聞くと、信じて洗礼を受けました。このようにして初めての外国人の教会が誕生したと言えます。ペトロは、数日間コルネリウスの家に泊り、共にいた兄弟たちが「異邦人も神の言葉を受け入れていた」と驚き、喜んでいました。
 

 ところが、ペトロはエルサレムに帰ると大騒ぎが起ったのです!教会の信徒たちは彼を厳しく非難しまた。なぜなら、ペトロは外国人と交際し、共に食事をしたからです。ユダヤ人にとって外国人は神さまを知らない、汚れた民、異邦人でした。エルサレムの信徒たちが皆ユダヤ人で、彼らの多くはまだまだユダヤ人の一般の考え方から抜け出ることが出来ませんでした。
 

 ペトロは、集まった信徒たちの前でカイサリアで、コルネリウスの家でおこった出来事を詳しく説明し、すべてが神さまの御導きであったことを訴えました。ペトロの話を聞いた人々は静まり、反対の声が聞こえませんでした。福音はありのまま外国人にも伝えるべきであると、彼らは始めて悟ったのでしょう。
 

 今回の話しは、容赦なく人間の心の狭さをさらけ出してしまいます。神さまの助けがなければ、自分の偏見や習慣を乗り越えることは到底無理です。しかし今回の話しはまた、神さまの力強い御導きについても語っています。エルサレムの教会は、外に向けて最初の一歩を踏み出したのです。


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