聖書の学び-使徒言行録
初代の信仰に学ぶ

No.35

 「神様が清めてくださる」
(使徒言行録10:9−23)

「神が清めた物を清くないなどと、あなたは言ってはならない。」

 神様は、コルネリウスの祈りを聞き届けてくださいました。コルネリウスはみ使いの言葉に従順に従い、ペトロを迎える人をヤッファに送りました。この人たちがヤッファに到着する前に、神様は既にペトロとの出会いの準備をしてくださいました。ヤッファに滞在しているペトロは、祈りの中で天が開くことを見ました。
 

 イエス様ご自身も洗礼を受けてから祈っておられると、天が開き神の霊が鳩のようにイエス様の上にくだりました(ルカ3:21ー22)。また、ステファノが殉教の死を迎えた瞬間にも天が開き、イエス様の栄光の姿が見えました(使徒言行録7:56)。ところが、ペトロの目の前に天が開くと、驚いたことには、汚らわしい動物しか見えませんでした!!それにあの動物を「屠って食べなさい」と命じる声が聞こえたのです。ペトロが戸惑いました。
 

 ユダヤ人の律法(レビ記11章)には「汚れた動物」について詳しく書いてあります。たとえば、汚く見える動物が伝染病を広げると恐れていたようです。また死んだ動物の肉を食い荒らす鳥とか、異邦人が神々として祭る動物も汚れたものとされていました。これらの動物の肉を食べることも、神様に捧げることもゆるされていませんでした。
 

 このような掟を少しでも知っているなら、ペトロの戸惑いが分かります。ペトロは、幻の声に中々従うことが出来ませんでした。神さまご自身が汚れたものを清めてくださると、幻の声が三回もペトロに教えなければなりませんでした!
 

 ペトロは、この幻の意味を考えていると、コルネリウスが送った使節がちょうどヤッファに到着し、ペトロが滞在する家を見つけました。ペトロはみ声に従い、この外国人を家に迎えました。
 

 ユダヤ人は、外国人のことを「神様を知らない異邦人、汚れたもの」として軽蔑しました。けれども神様は異邦人をも清めてくださり、伝道の器として用いてくださいます。ペトロは、少しずつこの宿題を学び初めたのです。


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