初代の信仰に学ぶ |
初代教会の伝道は、エルサレムから始まり、主にユダヤ人が住んでいる各地方に広がりました。これと対照的に、今回の舞台は典型的なローマ人の町に移ります。地中海の海岸にはカイサリアという港町がありました。ヘロデ大王が建てた町で、自分の保護者である皇帝アウグストゥスをたたえて「カイサリア」と名付けました。優れた港や水道、ローマ的な劇場などの遺跡が今日に至るまで残っています。このローマ的な町に、神様の霊がキリストにある救いを伝える伝道者を導いてくださったのです。
カイサリアの「イタリア隊」には、コルネリウスという百人隊長がいました。長い間カイサリアで住んでいたと見られ、回りのユダヤ人の影響を受けて彼らが信じている神様を信じるようになりました。
神様を信じ、ある程度までユダヤ人の律法を守る外国人を「神を畏れる人」と呼ばれました。彼らはユダヤ人と一緒に礼拝を守ることが出来ましたが、まだ割礼を受けていない限り「異邦人」とされ、ユダヤ人と一緒に食事をすることが許されていませんでした。コルネリウスはこのような信心深い外国人の一人でした。
コルネリウスは午後3時(ユダヤ人の祈りの時刻)に幻の中で天使を見ました。「はっきりと見た」ので、それはぼんやりした夢ではなく、本当に神様から来られたみ使いでした。天使はコルネリウスの名前を呼んで、神様からのメッセージを伝えました。コルネリウスの祈りと施しが神さまのみ前に届き、神様は彼が願う以上のものを与えようとされていました。コルネリウスは、これから何が起ろうとするかまだ分かりませんでしたが、天使のみ言葉に従順に従い、顔も知らない「ペトロ」をヤッファから迎えるようにしました。彼の人生には、神様の新しいみ業が始まったのです。