聖書の学び-使徒言行録
初代の信仰に学ぶ

No.28

 命がけの使命
(使徒言行録9:10−19)

 「立って、ユダの家にいるサウロという名の者を訪ねよ。今、彼は祈っている。」

 サウロは、ダマスコに行く途中で突然天からの光を見て、目が見えなくなりました。同行していた人達が彼を町につれて、彼は暗黒の中に三日間を過ごしました。それから主イエスご自身が、サウロのところにアナニアという弟子を送りました。「アナニア」という名前は、「主が私を憐れんでくださる」という意味です。この名前そのものはもう大事な福音です。
 

 アナニアは幻の中で主のみ声を聞くと、少年サムエルの従順な態度を示して「主よ、ここにおります」と応えました。しかし主イエスが彼に求められたことは命がけの使命であったので、アナニアが恐くなりました。信徒たちを迫害したサウロの所へ行くことは、捕らわれ、殺されると同じ意味ではないかとアナニアが恐れていたのです。
 

 主イエスがアナニアに無理なことを要求するのではなく、ご自分でこの出会いそ準備してくださいました。「サウロが祈っている」と、アナニアを力づけてくださり、そして「行け、サウロの上に手を置くように」と命令されました。「手を上に置く」ことはお祈りと祝福の姿勢です。主イエスご自身が子どもを祝福し、病人のいやされた時も一人一人の上に手を置いてくださいました。
 

 アナニアが言われた通りすると、サウロの「目からうろこのようなものが落ち、元どおり見えるように」なりました。そればかりではなく、元よりもすばらしい視力が与えられました。「目のうろこ」が不信仰であったと言えます。サウロは、心の目が開かれ、彼は洗礼を受けて一生を主キリスト・イエスに捧げる弟子に変えられたのです。
 

 アナニアは、命を惜しまないでサウロを訪ねると、主が共におられ、恐れていた出会いを素晴らしい祝福の時としてくださいました。またサウロは、主イエスとの出会いについて次のように書きました「わたしの主キリスト・イエスを知ることのあまりのすばらしさに、今では他の一切を損失とみています。」(フィリピ3:4−8)


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