聖書の学び-使徒言行録
初代の信仰に学ぶ

No.22

  苦難を祝福に
(使徒言行録8:1−4)

 「その日、エルサレムの教会に対して大迫害が起こり、使徒たちのほかは皆、ユダヤとサマリアの地方に散って行った。…このように散って行った人々は、福音を告げ知らせながら巡りあるいた。」

 ステファノが殉教者の死を迎えた日から、エルサレムの信徒たちに対してに大きな迫害が起りました。サウロと言う若者が家から家へと歩き回り、キリストを信じる者だと分かったら、引き出して牢に送りました。
 

 ここで初めて登場するサウロは、優れた人物でした。サウロは、ローマの市民権を持つ優秀な家族に生まれ、小アジアのタルソスという栄えている都市の出身でした。少年時代から聖なる都エルサレムで育てられ、当時の最も有名な聖書学者ガマリエルの元で教育を受けました。サウロはファリサイ派に属していたので、聖書やユダヤ人の律法を守ることに心が燃えていました。
 

 サウロは、神さまのみ前で完全な人間になろうとしました。しかし人間は、自分が完全であると思うと、自己満足になり、傲慢の罪に陥りやすいのです。サウロも相手の信仰を測って裁き、やがてキリスト者を迫害することに至りました。
 

 神さまは、人間の計らいをはるかに越える方で、迫害がもたらす苦難を祝福に変えてくださったのです。迫害を逃れてあらゆる地方に散って行った信徒たちは、積極的に福音を告げ知らせると、より多くの人々がイエス・キリストを信じるようになりました。
 

 またサウロ自身は、神さまが選んでくださった人でした。若い時の教育も、主イエス・キリストに敵対する経験も、後熱心な伝道者になる準備の段階であったと言えます。
 神さまの御導きは、すぐは目に見えない時がありますが、信じる者の苦難を祝福に変えてくださる神さまに信頼して行きましょう。


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