聖書の学び-使徒言行録
初代の信仰に学ぶ

No.2

主イエスに派遣されて
(使徒言行録1:3-11)

 イエスさまは、伝道を始められた頃、12人の若者を呼び集めて、自分の弟子とされました。彼らは3年間もイエスさまに従い、神の国についてたくさん学ぶことが出来ました。しかしイエスさまが捕らわれた時、彼らは落胆し、みな逃げてしまいました。イエスさまは十字架につけられて死んだのですが、これで全てが終わったわけではありません。
 

 主イエスは復活され、恐れている弟子たちに現れ、残された11人(初めに呼び集められた12人の内、イエスさまを裏切ったユダを除く)をもう一度呼び集めて下さいました。この時から11人は「使徒」と呼ばれるようになりました。彼らは「主イエスの福音」すなわち、「イエスさまが生きておられる」といううれしい知らせを全世界に伝えるようにと派遣されたのです。

 主イエスは使徒たちを派遣してから、彼らを離れ、天に上げられました。この出来事をルカは、二回も書き記しました。ルカによる福音書は、「主イエスは祝福しながら彼らを離れ、天に上げられた。彼らはイエスを伏し拝んだ後、大喜びで…たえず…神をほめたたえていた」という言葉で終わります(24:50以下)。

 しかしルカによる福音書の続編と言われている使徒言行録の1章は、福音書の最後と雰囲気が違います。「彼らはイエスを伏し拝んだ後、大喜びで…たえず…神をほめたたえていた」使徒たちは、主イエスが離れて去って行かれるのを、ただ見つめていただけだと、ここでは記されています。そこに天のみ使いが現れて、「ガリラヤの人たち、なぜ天を見上げて立っているのか」と、彼らを叱っているほどに、彼らはまだ起こった出来事を理解出来なかったのです。

 ルカが、このような使徒たちの弱さと、それから後、力強く伝道へと遣わされていった彼らの信仰の強さの両方を、余すことなく書き記していることは深い意味があると思います。弟子たちは、自分の力に頼っては、勇気のある「使徒」にはなれなかったのです。主イエスの祝福によって彼らは喜びに満たされたのです。そして、礼拝、聖書のみ言葉や祈りを通して、上からの知恵と力が与えられたのです。


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