聖書の学び-使徒言行録
初代の信仰に学ぶ

No.18

  ステファノの説教II:ヨセフに学ぶ
(使徒言行録7:9−16)

 「あなたがたはわたしに悪をたくらみましたが、神はそれを善に変え、多くの民の命を救うために、今日のようにしてくださったのです。ヨセフの言葉、創世記50:20」

 ステファノは、最高法院の前で訴えられ、長い説教を通してキリストへの信仰を解き明かしました。イスラエルの先祖たちの歴史を挙げて、彼らに与えられた神様の約束がイエス・キリストにおいて実現したと、ステファノは証をしました。アブラハムの話に次いで、ヨセフの話が挙げられました。

 ヨセフの物語は、旧約聖書の創世記37章〜50章に記録されています。ヨセフは、12人の兄弟のうち、特別の知恵と才能を持っていたので、兄たちが彼をねたみ、エジプトに売ってしまいました。けれども、神様はヨセフと共におられ、兄たちの悪巧みを善に変えてくださったのです。エジプトでヨセフの知恵が次第にファラオにまで知らされ、彼は大臣の責任が与えられました。ヨセフの知恵によって、エジプト人が飢饉より守られ、父ヤコブや兄弟たちの命もヨセフの憐れみによって救われたという、心が打たれる話です。
 

 ヨセフの話は、神様がご自分の民を導き、守ってくださることを教えています。それと同時にヨセフの歴史は、キリストにある救いを予告しているとも言えます。
 

 イエス様も、自分の兄弟であるユダヤ人にねたまれ、とうとう十字架につけられて殺されました。しかし神様は、この悪も善に変えてくださいました。イエス様を死人の中から復活させられ、私たちの救い主として立てられたのです。ヨセフの話を通して私たちはすでに神様の愛にふれることができますが、主イエスにおいてこの救いが完成されたのです。これはステファノと他の初代教会説教を通して私たちに伝わる大胆な信仰です。


学びの最新ページへ