聖書の学び-使徒言行録
初代の信仰に学ぶ

No.16

  天使の顔
(使徒言行録6:8−15)

  「最高法院の席に着いていた者は皆、ステファノに注目したが、その顔はさながら天使の顔のように見えた。」

 教会の奉仕者に選ばれたステファノが「恵みと力に満ち」、素晴らしい賜物をもっていました。信仰が深く、聖書の知識も優れていました。彼は貧しい人たちの世話をしながら、地域の伝道にも励んでいました。
 ステファノは、エルサレムに住んでいるギリシア系のユダヤ人をよく知っていたようです。その仲間にもイエス・キリストにある救いを伝えましたが、人々は信じていませんでした。彼らはステファノと激しく論争し始めましたけれども、勝てませんでした。

 前に、イエス様がユダヤ人の妬みによって捕らわれ、殺されました。妬みによって使徒たちも捕らわれましたが、ガマリエルに勧められて解放されたのです。今やユダヤ人の新しいグループがステファノを妬み、迫害が新たに始まりました。ステファノを妬む人たちは民衆を扇動し、ステファノを最高法院の前に引っ張っていきました。
 イエス様の裁判の時と同様に、ステファノの教えもわざと曲解され、彼は神様を冒涜すると訴えられました。イエス様が弟子たちに語られた言葉が実現されたのです:「人々は私を迫害したのであれば、あなたがたをも迫害するだろう。」

 最高法院の前に引っ張られたステファノは、命の危機に陥ったのですが、その時不思議なことがおこりました。「その顔は天使の顔のように見えた」ということです。迫害が証しする機会となり変、その時語る言葉と知恵が与えられるというイエス様の約束も、今実現されました。ステファノが自らの力によって立たされたのではなく、その顔が上からの平安と喜びに輝いていたのです。


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