聖書の学び-使徒言行録
初代の信仰に学ぶ

No.1

ルカ、イエス・キリストの証し人
(使徒言行録1:1-2)

 新約聖書には「使徒言行録」という他のものとは趣を異にする文書があります。それは、初代キリスト教会の伝道の記録であると同時に、主イエス・キリストを信じる人々の力強い証しです。美しいギリシア語で書かれたこの文書は、テオフィロという人に宛てた書簡ですが、書いた人の名前はどこにも記されていません。

 「ルカによる福音書」を書いたルカは、パウロの協力者として伝道の旅について行き、旅行記を書き始めたと考えられます。ルカはギリシア人でありながら、パウロと一緒に聖地イスラエルに滞在する期間があったようです。その与えられた機会を生かして、ルカはイエスさまのみ言葉や使徒達の説教、そして初代教会の伝道についていろいろの資料を集めて「ルカによる福音書」を書き、その続きとして「使徒言行録」を書くに至ったと言われています。

 使徒言行録が書かれた時代は、キリスト信仰が迫害されていました。この文書の主な目的は、誤解されている新しい信仰(キリスト教)を正しく紹介し証しすることでした。イエス・キリストの証しはユダヤ人の中からギリシア人へ、エルサレムからローマへ、そしてユダヤから全世界へと広まりました。使徒言行録は、激しい迫害にも落胆することのなかった強い信仰の証しです。
 

 私たちもこのルカの文書を手引きにして、イエスさまの愛を証しし続けた使徒たちの信仰に励まされたいと思います。祈りながら学んで参りましょう。


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