(前略)
ボトムズはリアリティのある作品ではない。お話が御伽噺クラスのリアルさなのはさて置いて良しとして、リアルとされるATの造形もまるでリアルではない。
精密部品が多いマニュピレーターを炸薬で敵に打ち付けるアームパンチ(ロケットパンチの換骨堕胎)から始まり、ローラーダッシュは、実際に行えば仰向けにひっくり返るだろうし、降着姿勢から立ち上がろうとすれば、前のめりに倒れてしまうだろう。どう考えても物理的にヘンな動作の目白押しだったりする。
だがしかし、アレは、ボトムズのメカニクスは、あの時点、あの条件下(当時のTVアニメという制約下)で「最高にリアル」だったのは間違いない。
あの頃の「リアル」は「かっこいい」とほぼ同義語だった。
自分はその「特定条件下で最高にかっこいい」に惚れた。
(後略)
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