●好きな小説、作家のこと●

(文章は1999年5月時点の物です)

・好きな小説・小説家について思いつくまま書いてみました。
 よって、文章はあくまで個人的な思いにすぎませんのでご了承下さい。
 (いざ書いてみるとSF系が多いなあ、現代物も読んでるんだけどねぇ)

●アルジャーノンに花束を(ダニエル=キイス・早川書房)
   
精薄だった青年が脳外科手術によって天才になっていく過程を綴ったSF作品。
   あまり何度も読み返したくはならない悲しい話。だけど、一生手放せない本です。

●ヴェイスの盲点(クレギオンシリーズ)(野尻抱介・富士見ファンタジア文庫・シリーズ継続中)
   
元々はテーブルトークRPG「クレギオン」の世界観をベースにしたスペースオペラです。
   スペオペの割に地味ーで地道ーな話ばかりでけっこー好き。

●河童が覗いたインド(妹尾河童・新潮文庫)
   
近年は「少年H」で有名な作者の、凝りに凝った実録インドレポートエッセイ。
   好奇心旺盛な著者が細かいところまでの解説付で描かれた細密イラストが魅力的。
   ひきこまれること請け合い。
   舞台美術が本職だけあって、目の付け所がさすがです。
   「覗いた」シリーズには他にヨーロッパ、ニッポンなどもあり、
   文集文庫ではトイレや仕事場やタクアンなども覗いてます。
   人柄がかいま見える文章が好きだなあ。

●神々の山嶺(いただき)(夢枕縛・集英社・上下巻)
   山に魅了された男達の物語。とにかく熱い。ラストは本当に泣けました。
   近年読んだ中ではイチ押し。
   本編中で登山家マロリーのエベレスト登頂の謎が語られていますが、
   この本が出た後で現実にマロリーの遺体が発見されちゃってドキドキです。

●銀河英雄伝説(田中芳樹・徳間書店・全10巻 + 外伝4巻)
   銀河帝国と自由惑星同盟の攻防を描いた架空未来歴史小説。
   これには当時どっぷりはまってました。
   ヤン・ウェンリーが好きなんだよ〜!!
   ところで田中先生、新シリーズにほいほい手を付ける前に
   ずぅぅぅぅぅっと、止まってる昔からのシリーズの続きを書いてくれよぉ。
   タイタニアや七都市物語や地球儀の秘密やアルスラーン戦記や、
   夏の魔術シリーズや銀英伝外伝の続きはどうなったんだよぅ。  

●サラマンダーせん滅(「せん」の漢字が出ない)(梶尾真治・朝日ソノラマ・上下巻)
   主人公は夫と娘を奪った敵に復讐を誓うが、その為に自らの「記憶」を代償に失う事になる。
   復讐の理由さえも忘れていかねばならない様が壮絶なSF傑作。
   「おもいでエマノン」(徳間文庫)、「地球はプレーンヨーグルト」(ハヤカワ文庫)もお薦め。
   高校生の頃、「美亜へ送る真珠」(in 地球はプレーンヨーグルト)を読んで泣いたっす。

●彗星狩り(星のパイロットシリーズ)(笹本祐一・ソノラマ文庫・シリーズ継続中)
   
彗星を捕縛して宇宙空間での水資源を確保するプロジェクトの権利を、有人宇宙船でのレースで
   最初に彗星にたどり着いたものに与えることとなった。
   レースに参加を表明したある弱小宇宙輸送業者の近未来のお話。
   地味でマニアックな話ですが、妙に細かくてリアリティを感じる描写が好きだ。  

●戦闘妖精・雪風(神林長平・ハヤカワ文庫)
   
未確認異星体ジャムと人類との戦闘は、高度な電子頭脳を搭載した戦闘機「雪風」の出現により
   だんだんジャム対「機械」の戦闘へと変貌していく・・・。
   人からどんどんと離れていく機械の有り様が恐ろしい。

   神林氏の作品は結構難しい作品が多いけど、「敵は海賊」シリーズなどは割とお気楽に読めます。

●空飛ぶ馬(北村薫・創元推理文庫・シリーズ継続中)
●スキップ(〃・新潮社)
   
前者は「私」と噺家円紫師匠の、日常に潜んだ不可思議を謎解く推理短編シリーズです。
   騙されたと思って1冊読んでみて欲しい作品。
   推理の面白さと人間ドラマの共存が見事。
   推理物ですが基本的に人は死にません。

   後者は「人と時間」をテーマとした3部作(予定?)の1作目。
   テーマがテーマなのでK=グリムウッドの「リプレイ」(後述)に通じるところが
   ありますが、こちらは人物の心情を掘り下げて書くことで、読書感は全然違います。
   2作目は「ターン」。
   この人の柔らかい(かと言って甘っちょろくもない)文章が好きです。

●旅のラゴス(筒井康隆・徳間文庫)
   
主人公ラゴスの旅を続ける生涯を描いた作品。
   破壊的な作品が多い作者にしては珍しいかもしれない実にきっちり出来た物語。
   容赦なくすぎていく時間がなんとも現実的に感じてしまう。
   「七瀬シリーズ」も好き。

●時の娘(ジョセフィン=テイ・ハヤカワ=ミステリ文庫)
   
入院中の警部が英国、薔薇戦争時代の悪王と言われるリチャード3世の素顔に
   文献のみから歴史の真相を推理していく、歴史ミステリーです。

●夏への扉(ロバート=A=ハインライン・ハヤカワ文庫)
   
恋人に裏切られ、冷凍睡眠により1970年の世界から30年後に飛ばされた主人公を
   描いたSF古典名作。猫好きな方にもお薦めの作品。
   これで書かれてる「未来」って2000年なんだよね。書かれた時代が古いだけに
   この未来像にも時代を感じて興味深いものがあります。

●猫目石(栗本薫・講談社文庫・上下巻)
   ネコ名刺・・・ではない。
   「ぼくらの時代」シリーズの探偵役の薫くんと作者の別シリーズの名探偵、伊集院大介の
   競演作品。
   続編、とは言いにくいが、この事件の数年後を描いた「怒りをこめてふりかえれ」もあります。

   グインサーガは長すぎて、手を出す気にちょっとなれない・・・。   

●ブギーポップは笑わない(上遠野浩平・電撃文庫・シリーズ継続中)
   
一つの事件を様々な立場の人物の視点から語っていく構成が奇妙にリアリティを感じて旨い。
   ジャンルとしては少年向けのSFファンタジーだが結構読ませてくれる。

●リプレイ(K=グリムウッド・新潮文庫)
   
43歳で死亡した男が記憶と知識を持ったまま18歳の過去に逆戻った・・・。
   記憶を持ったまま過去に戻ったらどうなるか、と一度は考えたことがある人も多いかも。
   結末も旨い、傑作です。

●ロスト・ワールド = ジュラシック・パーク2(マイケル=クライトン・ハヤカワ文庫・上下巻)
   
科学によって現代に蘇った恐竜のテーマパークを描いたジュラシック・パークの続編。
   映画はまあ、なんというか・・・な出来ですが(好きな人、ごめん)、
   原作はなかなかに読ませてくれます。
   数学者イアン=マルカムのうんちくが好き。

●わしらは怪しい探検隊(椎名誠・角川文庫・シリーズ継続中?)
   
著者と仲間達の、海とキャンプと宴会が織りなす冒険記録。
   キャンプ者のバイブル(ほんとか?) 

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