●新年特別企画:えいが道エッセイ編 2006年尻塚的映画ランキング●

『えいが道』のまんが描き担当「尻塚・D・喜殿」こと「でんでん」と、
原作担当「尻塚・A・喜殿」こと「あんのよしたか」のそれぞれによる2005年の映画ベスト5です。
あくまでも単なる趣味と偏見に基づくランキングですので御了承下さい。(後になって意見が変わる可能性も十分あります(笑))

なお、正月映画等も関係なく、『私達が2006年に劇場で見た映画』の中から選んでいます。


●2006年映画ベスト5:『尻塚・D・喜殿』こと『でんでん』編●

1位:『時をかける少女』

1983年の原田知世版から約20年後の現代を舞台に、新たな主人公による新作アニメーション作品。
感想や絵やネタで散々書きまくったので今更言うことはあまりないですが、やはり2006年はこれでした。素晴らしい爽快感と幸福感を与えてくれます。
私的に2006年の青春映画の金字塔です。

2位:『スネーク・フライト』

“殺人現場を見られた犯人が目撃者を消す為に飛行機に大量の蛇を送り込む”というB級ジェットコースターパニック映画。
「面白いB級映画」を知り尽くした製作者の手腕が素晴らしい。
設定の有り得無さをアイデアと力わざの描写でカバーして十分に興奮させてくれました。
満足。

3位『ホテルルワンダ』

1994年のルワンダでの部族大量虐殺事件を元にした、「アフリカ版シンドラーのリスト」とも言える作品。
ごく近年に起きている悲劇を、押しつけがましくないエンターテインメントとして冷静に伝えてきます。
今見ておくべき作品だと思いました。
日常が簡単に崩壊する感覚が恐ろしいです。

4位『ドラえもん のび太の恐竜2006』

声優陣を一新してのリニューアルによる、26年ぶりの「のび太の恐竜」のリメイク作品。
手描きテイストの温かみのある絵が心地よいです。
日常性と非日常性が臨場感たっぷりに交錯する上質なジュブナイルでした。
原作ファンはエンディングで泣くべし。

5位『キング・コング』

2005年の映画に入れるべきだろうけど、見たのが2006年なのでこちらに。
これまたリメイク作品です。
言葉の通じない美女と野獣との共感、そしてコングのアクションを、臨場感や迫力のある映像として堪能させてくれる、『映像作品である』ことを生かし切った大スクリーンで見るべき映画でした。
186分の長さを感じさせない濃密な時間を与えてくれました。

次点:『もしも昨日が選べたら』

人生をリモコンで操るドラえもん的な話。アイデアの見せ方が楽しく、笑いながら見ていて最後には泣けるという、エンターテインメントのお手本的な作品でした。
ちょっと下品ではありますが(^^;


ちなみに 2006年でつらかった映画

『ゲド戦記』

様々な意味で苦痛でした。
原作ファン・ジブリファン共にお勧めしません。

『フライトプラン』

自分は少々ツッコミ所の多い映画でも楽しめるつもりでしたが、これは駄目すぎました。
B級映画になりきれない中途半端な“普通さ”が足を引っ張ります。2位の「スネーク・フライト」とは対称的です。
せめて主人公の不快さがもう少し薄ければ。


●2006年映画ベスト5:『尻塚・A・喜殿』こと『あんの』編●

1位『ストロベリーショートケイクス』

東京に暮らす4人の女性を描いたドラマ…なのだろうか。なにより画面に映る東京の風景が大好きな映画。
上映中、スケジュール的に無理してスクリーンで見てよかったとしみじみ思った。
実は意味のよく理解できない人物表現もあったのだが、
登場人物達の「痛み」の表現が僕の急所を直撃(笑)
理解でも共感でもないけど、自分の心に残る「痛み」だったな、あれは。

2位『グエムル-漢江の怪物−』

いや、もう見てて大爆笑。
状況が悲惨になればなるほど、家族が悲しみ必死になればなるほど笑える。
ちなみに平日の昼間見たら、おじちゃんやおばちゃんの人数がけっこう多かったのだが、
この人たちも素直に笑って見ていたのにこの映画のパワーを感じた。
うーん、主人公一家が全員ダメ人間なの含めて大好きだ、この映画。

3位『16ブロック』

人生最大の夢物語とは「人間はいつでもやり直すことができる」ではないだろうか?
…などとひねくれたことを考える私ですが、「やり直す」でも「取り戻す」でもなく、
「(自分で)変わる」を描いたこの映画には素直に感動しました。
監督とブルースに「くまいりました!」と気持ちよくいいたくなる映画。
ちなみに、この作品の登場人物の描写は、敵役を含めて、どう見ても刑事じゃなくてガンマンの描写だよね(笑)
今年一番よかったプロのガンマン映画。

4位『花よりもなほ』

今の日本でしか作れない(作るべきの)心の動きを描いた映画。
現実に暮らしてる世界では見にくく見えるかもしれない心の動きを、やさしく描いた映画
(ななめに見るとこの映画の登場人物はみんなこころのどこかに醜さがあるように表現されてる)。
…ええい、素直に言うと僕の大好きな古き良き時代劇の感覚が詰まった映画だから第4位(笑)
主人公の成長物語に徹する話運びもポイント高いぞ。
「徳をもって人を制す」のが本当の(武道も含めての)強さだけど、
「徳」がない場合は「心の動き」で相手にわかってもらうしかないよね。

5位『SPL/狼よ静かに死ね』

ふふふ、実は僕はドニー・イェンのファンなのです。
ホントは今年DVDで見た(劇場で見損ねたので)「セブンソード」もこのランキングに入れたかった…
クライマックスの2連戦はDで何回見たことか。
ああ、現在撮影中の新作「破軍」が早く見たいぞ。

次点『ウインターソング』

さすが「歌神」ジャッキー・チュン。
「ベルベット・レイン」見たときも、いい役者になっててうれしかったけど、今回は歌でもやってくれました。
ちなみに僕は張紀中版「射雕英雄伝」(中国のテレビドラマ)も大好きなので、
ジョウ・シュン演じるヒロインが裏・黄蓉に見えて個人的におかしかったです。
ところで監督の次回作「刺馬」はどんな映画になるんだろ♪(ワクワク)

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(2007/1/2)
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