優曇華の花

2002.7.12.




 フィールドに仕事に出て、なんとなくあたりを見渡していたときに目に入ってきたのが、これ、クサカゲロウの卵です。
クサカゲロウの卵は優曇華の花とも呼ばれていますが、まだ産卵されたばかりのこの卵は「花」になりきっていません。

クサカゲロウの卵自体はさほど珍しくないのですが、いつも見つけるとなんとなく嬉しくなるものの一つです。
「優曇華」なんていう言葉を知らなくても、この卵の美しさはちょっと心に留まるものだと思います。
一つ一つの卵は約1mm程度、卵をつるしている糸の長さは1.5cmほどでしょうか。
この糸が優美な印象を醸しだしていますよね。
まだ小さいりんごの実のお尻に産み付けられていました。



さて、見つけてしばし和んでから仕事にかかりました。
一仕事終えてもう一度見に行ったら、なんと黒い甲虫の一種が卵を食べているではありませんか!!
慌ててカメラを取り出して撮影したのですが、ボケボケ・・・。



もう一枚撮ろうと接近したところ、枝に触れて葉を揺らしてしまい、虫に逃げられてしまいました。
食痕のある卵はなんとか撮影(下、中央の卵、かじられているのがわかりますか?)。



職場に戻って興奮して次長に写真を見せたんですが、
「え、クサカゲロウの卵を捕食する昆虫??
・・・・・聞いたことがない・・・・・・。」
えええ、なんとわたし、大発見をしていたんですかああああ??
写真をちゃんと撮れなかったことを大騒ぎして悔やむと、
「いや、写真なんかよりそんなときはちゃんと虫を捕まえて持って帰って来てくれなくちゃ!!」
と次長・課長から言われました。
「今度から外に行くときはビニール袋持って出てよね。
いい虫がいたら逃さないでよね。」
と念押しされました。





 

2002.7.14.


 

2002.7.19.


























 少し卵の色が変わってきました。



















 少しずつ卵の色が黒っぽくなってきていたので、もうすぐ孵化するだろうなあ、と楽しみにしていたのに、 この日見に行くと・・・・・・







 卵がきれいになくなって糸だけがむなしく残っていました。
この場所は、ある理由で一般人が入ってくることはありません。
人為的ないたずらはとても考えにくいので、昆虫などに食べられてしまったと推測されます。
うーん、食べていた黒っぽい虫を捕まえられなかったことも残念だし、 孵化までちゃんと観察できなかったこともとても悔しいです。







ちゃんと孵化できたのが左の写真。
別の場所でみつけました。
幼虫が孵化すると卵の殻だけが残り、それが白く小さく儚げに揺れるのです。
この孵化後の卵の残骸を「優曇華の花」と呼びます。
結構都会でも見られます。
優曇華の花とは、三千年に一度花を咲かせるという仏教説話に出てくる架空の花で、めったにないものの例えなのですが、 極楽には咲いているというような話もあり、この卵の残骸の儚げなさまに優曇華の花とはこういうものではないかと 昔の人がイメージして定着した呼び名のようです。



















←これが、親・クサカゲロウ。
ピンボケな上、死んでいますが。


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