帝国療養院

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神聖にして冒すべきではない、美しくそして儚い病弱少女の出展を研究する。

ここは我輩の醜い萌えっぷりを露出するページで、ネタバレ御免です。
本帝国で最もイタいページとなっております。イタさをお楽しみ下さい。
第四回伊吹 みなも (Memories Off/KID) 2000年10月16日
第三回藤堂 加奈 (加奈〜いもうと〜/D.O.) 2000年 1月12日
第二回美坂 栞 (Kanon/Key) 2000年 1月 7日
第一回杉本 桜子 (同級生2/elf) 1999年12月28日


第四回 伊吹 みなも(Memories Off/KID)

どう見ても一ヶ月以内に死ぬように見えない。
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 当療養院初のエロゲーム以外の病弱っ子。どっかのサイトで「終わり際が最も美しい病弱シナリオ」と絶賛されていたのでチャレンジ……していきなり挫折しかける。
 今までのパターンからも判る通り、世の中には病弱ならでは記号というものがあるが、よりによってこいつはその一つすらも装備していない。いきなり吹っ飛ぶ我輩の気合。
 元気溌剌な態度といい、フッツーの私服といい、無意味に広げた謎の手といい、伏目がちのフの字もないツラといい、アホっぽい髪型(横結びファンに殺されそうな暴言)といい、その姿からは闘病生活の影すらも感じ取れない。
 原画が結構可愛いだけに惜しい。

 シナリオも、最初の登場こそ病弱っぽさをふんわりとアピールしてあるものの、基本的には病弱を馬鹿にし切ったテンションの高さ。
 病弱娘にはしゃぐ権利があるとでも思っているのか(大暴言)
 物語は悲壮感のかけらもなく、ただ、たまに思い出したかのようにコテっと倒れたり熱出したりするだけの「普通の後輩との交流」が描かれていく。
 つうかたまに倒れないと病弱ということ完全に忘れるくらい。
 シナリオが佳境に入ると、やっとこさお待ちかねの病状悪化による入院生活が始まり、我輩ガッツポーズ。
 進む病気。募る想い。結ばれる約束。失われていく残された時間。消えうせる選択肢。ゲームじゃねえ。
 まあ我輩、紙芝居ゲームは全く許容できるのでいいのだが、医者に病名を聞くイベントは怒髪天衝きまくり。
「彼女は」 彼女は!? 「とても重い病気です」そんな名前の病気はない。
 臓器移植ネタなのに、何の臓器かすら書いてないし。(肝臓のつもりと我輩は推測)

 なにはともあれ。シナリオが急展開した瞬間に始まるカウントダウン。
 病弱シナリオの真骨頂はまさにここからだ。焦燥、絶望、悔恨等の感情が津波のように押し寄せる演出こそ、我輩の求めているものだ。
 彼女への無力感と罪悪感で二重に打ちひしがれる主人公。彼女はそんな主人公を赦すために、赦されていることを伝えるために病院を抜け出す。
 二人は海へ向かう。もう終わりだと知っているから――果たされないはずの約束を、果たすために。
 で果たされて終わり。
 流れるスタッフロールに、ぽかんと開く我輩の口、見開いたままの目。待て、このテのゲームはスタッフロールの後に後日譚があったりとか……ってタイトル画面に戻った。えナニそれだけ?
 確かに絵的には素晴らしく美しいラストシーンであり、どっかのサイトの評価は当たっている。しかしなんだ、この物足りなさは。
 確かに病弱娘は死んでナンボと言っているが、それは死んだ瞬間がメインディッシュだからだ。メインディッシュがハリボテなシナリオは問題外としても、メインディッシュ最中に皿を下げられるのは独特のショックがあることを我輩は知った。

 結論として、美しさにこだわったがあまり、本当に好きな人が物言わぬ骸と化した衝撃が皆無なのが痛すぎる。
 著しい画竜点睛の欠きっぷり。加奈の腎臓の垢でも煎じて飲め。


第三回 藤堂 加奈(加奈〜いもうと〜/D.O.)

小学生の加奈。念のため、右のほうである。
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 2000年早々に我輩を完全に破砕した病弱っ子。というか先天性腎臓疾患っ子
 ストレートの長髪とカーディガンで病弱さをアピールしており、初っ端から我輩の弱点をぐりぐりしてくる。
 性格は延々、主人公以外に対しては全くの引っ込み思案で、主人公に対しては完璧な信頼を寄せるという姿勢を貫く。その姿はそれだけで妹所有欲そそる。ああっ我輩もこんな病弱な妹欲しいっ!あんなガンダムハンマーでも倒れそうにない兄貴と違って!
 加奈の病気は、他のゲーマライズ(我輩造語)された病弱っ子と違い本当にホンモノの病。かなりの苦痛を伴い、嘔吐や失神を繰り返し、黄疸や身体のむくみに悩まされ、週に三度透析に通う。我輩大興奮。ゲームやりながら加奈加奈叫んだね。いや本当。
 小学校卒業まで生きられないとか言ってたワリにわりとしぶとく生き続けるけど、まあそんなことは現実世界でもよくあることなんで我輩的には全然オッケー。ちゃんと中学卒業時にあと半年、延長なしのサドンデスに入るし。
 コレだよコレ、我輩の求めてた病弱っていうのはコレだよ。
 まるで我輩のために作られたかのようなキャラクタ。我が妹、加奈、イカす死にっぷりを見せてくれよ。間違っても生きてんなよ。期待してるぞ。

……
 加゛奈゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!
 俺が、俺が悪かった、ごめ゛ん加奈。

 最低だ俺。加奈の苦しみをぢっども判ってなかっだ。
 ああ、加奈、いなくなってしまった俺の加奈。
 死なないでぐれ゛加奈。ずっと、ここにいでぐれ加奈ぁ、
 ムリなら、せめて、せめて幸せな夢を見て眠ってぐれ゛ぇ。

 うう、我輩の醜い姿をお見ぜじで、申し訳ありまぜんでした、い゛っく…(嗚咽)
 我輩の場合、初回のプレイで見たのが最も破壊力の強いエンディング3だったので、ゲーム終盤では主人公にシンクロして発狂していた。
 このゲームでは6つのエンディング中5つは加奈が死ぬ。信頼を育み、愛を確かめ、お互いを最も大事な人と確認した上で、目の前で確実に死んでいく。
 終盤、加奈の命が尽きようとする時にはすでにプレーヤはゲーム一本分を優に超える加奈の思い出を抱えている。その状態で死というファイナルブローを叩き込まれる。我輩のような卑しい病弱萌えなどひとたまりもない。

 グッドエンディングでは加奈は回復し、幸せな未来が待っているのだが……我輩、病弱っ子の出てくるゲームで初めてその展開を許した。だって今まであんなに辛いのを゛我慢じでだ加奈なんだものっ゛、じあわぜになって欲しいよ゛おおおお。

 実際、絵的には癖が強く、しかも荒れ気味。立ちポーズは安定して可愛いけど肝心の一枚絵がイマイチ感強いものが多い。
 加奈のキャラクタもちょっとデフォルメが強力過ぎて、「こんな妹欲しい」というより「こんな妹いる訳ゃねえよ」という気持ちが先に立つ。可愛いんだけど。

 グラフィックとキャラクタ的な評価が低いために平均するとパッとはしないが、病弱さとシナリオが抜きん出たこの加奈は、半端な病弱好きに与えるのが勿体無い。
 ていうか我輩のだ。誰にも渡さん。


第二回 美坂 栞(Kanon/Key)

見れば見るほどヤバい骨格。
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 1999年の病弱を支配し、そして我輩の逆鱗に触れまくった一人。おかっぱ・肩掛けの2要素を備えている。
 ゲーム内でのスタンスは「MOON.」、「ONE」と続いた由緒ある「嫌です女」第三弾。
 含蓄がありそうで無いペシミスト気取りな言葉を連発する様が、なんとかこの類のキャラクタらしい個性とも言える。
 自分よりグラフィック、テキスト共に数倍可愛い姉(攻略不可)がいるのが特徴。
 一作一作確実に骨格を見失ってる原画マンが、よりによってゲーム中で最も危険なデッサンで描いてしまっているため絵的には痛い。

 病弱っ子の最大の武器であり価値は病気である。
 しかしこの栞が冒されているのは、「普段の症状は咳一つなく、死ぬ数時間前まで平気で街を闊歩できるけど、マトモに登校できないし、寿命がちょーど誕生日と重なる」という現代医学の限界に挑戦せんばかりの便利病気
「病弱キャラ出しとけばそーいう属性のヲタクが食いつくだろう」という企画の意図と浅はかさが目に見えるようである。なめんなコラ。

 なにはともあれ病弱シナリオの最大の焦点は、来るべき破局に向けて有限の時間をどう消化していくか、である。
 そのあたりはシナリオライター氏も「ONE」の続編(違う)としての意地を見せ、イベント配置、台詞回しなど抜かりが無い。
 寿命を遥かに超えるはずの時に約束を取り付けながら、今は刹那的な幸福をひたすら追い求めるという病弱基本コンボを何度も重ねて繰り出し、しかもそのテーマに姉妹の微妙な確執や他の女性キャラクタとの交流を織り交ぜる手練は見事と言っていい。
 文章も展開も稚拙で先は読めまくるが、我輩のように感受性が退化した人間でもそれなりに盛り上がった。
 主人公が彼女の病状を知らないうちに語られる「起きないから、奇跡って言うんですよ」という台詞は、クライマックスになってじわじわと効いて来る強烈なボディブローである。
 そして病弱っ子最大のクライマックス。逃れられない運命。雪の降り積もる公園で、時計の針が誕生日を指すまでの、わずかな時間。
 しかし我輩はそこにシナリオライターの恍惚の表情と、「ここだ、ここで泣け!」という声が聞こえた。あざと過ぎだろうこれは。
 という我輩を置いといて栞はその両目を閉じ、雪の中にその身体を横たえた。先の展開決定。

 という訳で、何の後遺症もなく普通の元気娘に落ちぶれた栞との突然の再会という自称感動のエンディングを迎えた。しかもまた元気栞が可愛くないんだこれが。
 ただ第一回で取り上げた桜子とは違い、病気の全快に「奇跡を起こす」という極めて卑怯くさい方法ながら理由がちゃんとついているのが最後の良心。
 栞シナリオの最大の欠点は、あっさり全快したことではなく、奇跡を起こした別の登場人物が何故栞を助けたかが全然説明不足なこと。桜子シナリオほどの罪はない。

 結果として、病弱萌えの我輩をして天敵を言わしめる羽目となった。
 敗因はとにかく病気を甘く見過ぎなことと、シナリオの詰めが甘すぎること。
 本当の病弱好きならば、このシナリオは許容できない。病弱マニアは甘くない、ということを指し示す好例となるだろう。
 逆にこの程度で感動したなどと言える人の「病弱好き度」は赤子同然である。そんなものは赤子同然で結構、という意見は承らない。


第一回 杉本 桜子(同級生2/elf)

マイ心の恋人。
でも髪型は我輩にも謎。
 伝説の病弱美少女。
 休学して入院中にて、長い髪・肩掛け・貧乳の3要素を全て兼ね揃えたスーパー病弱ガール。出現条件からして隠しキャラに等しく、発売当時メーカーより雑誌社に対し半年間の「桜子情報管制」が敷かれた裏ヒロイン。
 実際、このゲームの舞台が冬になったのは桜子のためではないかと思われるほど。病弱っ子の真価は冬に最大限に発揮されるもんだし。

 キャラクタの立て方は絶品で、この手のゲームのこの手のキャラにしては珍しく「真面目」だとか「趣味:読書」といった薫りがしない。普通の子である。病弱であるだけの。
 特に内向的でもなく、無口というわけでもない。病院生活で退屈はしてるけど、その毎日に慣れる程ではない。
 ただ、それ故、小鳥という病弱っ子の最強ペットの破壊力が若干スポイルはされている。
 病弱っ子ならペットを話し相手にするくらい墜ちててくれないと。

 超王道路線にも関わらずつい衝撃を受けさせられてしまうシナリオの展開はエルフの得意とするところ。
 冬の夜、降り注ぐ初雪の中で一緒に過ごす等という、普通ならブラウン管を叩き割るシーンなのに、そこに辿り着くまでの間でそんなツッコミを入れられないほどに盛り上げてくる。
 そして突然病室から消え失せ、衝撃の真実〜泣き帰る主人公と悲しみの一夜と、ここまで予想通りのシナリオを通るにも関わらず、その破壊力は強力無比。
 大ぶりで見え見えのストレート・パンチが完璧なガードを突き破るかのようなシナリオ。というより、主人公とプレーヤの感情を極限まで一致させるから先が読めてもガードできないのだ。
 はっきり言って最近の「泣かせ系専門エロゲメーカー」(Leaf、Tactics、Key等)は小手先の技術に頼り過ぎ。これが本当の感動だ。
 ここで物語はこれ以上ないくらい美しい起承転結が完了した…が!
 生きてんなよ桜子。

 いや確かに我輩も桜子が死なないシナリオがあるはずだと思い、躍起になって町を駆けずり回ったもんだけど、あっさり復活してたらなんつーか腹立つとゆーか。
 後の病弱っ子ゲームに「あっさり全快」癖をつけた罪は非常に重く、他の要素がほぼ完璧だったにも関わらず桜子評価を著しく貶めた。

 というわけで、全体的な評価は知名度の割にイマイチではある。
 ただ、桜子が死んだ状態でわざと桜子シナリオを進めるのを放棄した場合、シナリオの完成度は実に高い。死んだまま、エンディングの女の子選択で桜子を選んだ時のメッセージが密かに心憎い。

 追伸。
 ベガって言った奴、呪ってやるから名乗りでろ。


意見、感想、お待ちしています。
貶しているものもありますが、あくまで「我輩の病弱定義にそぐわなかった」ということです。
作品を否定するものではありません。非難や撤回要求はご遠慮下さい。

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