1999年12月の柿のたねニュース

学習会のお知らせ

柿のたねでは、障害のある人もない人も地域でみんなで一緒に生きていきたいという標語を掲げていますが、まだまだ障害者を取り巻く状況は、親が年老いたり疾病等にかかったりすると子どもは入所施設へというのが実情です。

時代の趨勢としては、今までの入所施設中心から地域で暮していくように向かいつつありますが、今だその生活支援の有り様は完全に確立されていません。

身体でも知的でも障害のある人が親亡き後も、町なかで自立した生活をしていくことが大変なことは事実であります。

そこで、拠って立つことのできるところや、体制をどのようにしたら作っていけるのかみんなで考えて見ませんか?

坂本氏をお迎えし、「地域生活援助」についてお話を伺い、今後何らかの方策を模索していきたいと思います。ご参加をお待ちしています。

(無着麗子)

就学時健康診断を考える集い

毎年の秋の恒例となった「就学時健康診断を考える集い」を12月12日に上目黒住区で行いました。今回の集いは、障害児が普通学級へ入っていく流れを時代を追って整理し、目黒において出来たこと・出来なかったことを改めて確認し、関連する法律についての簡単な勉強会のような形になりました。

1970年代の初めに「どの子も地域の学校へ」の萌芽が芽生え、79年に養護学校義務化になり、目黒では20年以上「就学時健康診断」に反対してきた経過で、今

というのが現状です。

今後の課題として

ちなみに大阪府の学校教育審議会の答申は「ノーマライゼーション理念の実現」を基本としたもので、健常児は障害児と一緒に過ごす時間が必要だと言うなど、教育の現場でも地方の時代が来ていることを感じさせます。目黒区でも出来ない事はない。是非!

(きくえ)

都立高校の統廃合実施計画案のその後と皆様へのお願い

すでに新聞報道などでご存知かと思いますが、去る10月14日、東京都教育委員会は、本当に子ども達にとって必要な教育とは何かを考え、統廃合より教育条件の改善を求める私たち都民の声を無視して、「都立高校改革推進計画」の「第二次実施計画」を策定しました。 これによって97年9月に策定された「第一次実施計画」と併せると、現在208校ある全日制高校を45校、103校ある定時制高校を31校廃校にし、「新しいタイプの高校」(総合学科、単位制、チャレンジスクール等)を全日制24校、定時制6校、昼間定時制5校新設するというものです。全日制高校が21校、定時制高校が20校削減されることになります。

「少子化」を大義名分にして、教育の質の向上よりも経済効率を考えるこの「統廃合・改編」の実施計画によれば、これまで以上に高校進学の競争は激しくなり、たくさんの高校進学希望者が公教育から切り捨てられることになります。

私の息子は定時制高校に通っておりますので、親の立場から感じていることを言わしていただきたいと思います。

定時制高校については、「第一次実施計画」以前の1992年から、「勤労学生が少なくなったから定時制の必要性がなくなった」として、統廃合攻撃にさらされてきたのですが、教員・保護者による一貫した反対運動が現在まで続いています。そのエネルギーの根源にあったのは、「我が子が定時制高校で救われた」という親の思い、また生徒本人の「自分に自信をもって生きていくことができるようになった」という、確かな実感だったと思います。

実際には、4年間のうちに多くの生徒がアルバイトも含めて仕事をしながら学校に通っています。特に、昨今の不況による親の経済事情の悪化により私立高校に通えなくなって、仕事をしながら勉強せざるを得ない子どもたちは、確実にふえています。

現在の夜間定時制高校が少人数、小規模だからこそ可能であるきめ細かで生徒に寄り添った教育、生徒一人一人をきちんと受け止め、その人の良さを伸ばしていける教育によって、たくさんの生徒が自分を取り戻し、定時制でたくましく成長しています。勤労者もいれば全日制中退者、不登校経験者、ハンディキャップを持つ生徒、あるいは在日外国人など、多様な集団の中で、学力以外にも人間として学ぶものは豊かです。学習集団と生活集団が一致しているので、4年間じっくり過ごす中からお互いに学び合っていけるという教育効果は、他の学校形態からは得ることはできないと思います。学級崩壊はますます低学年化し、不登校の子どもは増加の一途をたどっている現在こそ、定時制高校の必要性はますます大きくなっています。都議会への統一署名活動にご協力をお願いします

今回、全日制も定時制も連携して、「統廃合実施計画」の見直しと教育条件の改善を求めて、全都で統一して<都議会請願署名>に取り組むことになりました。何十万、何百万の意志表示を都議会につきつけていきたいと思います。都内各地域や学校で作られている「守る会」「考える会」のネットワークである「都立高校のいまを考える全都連絡会」の名称で署名を集めますので、皆様のご協力を心からお願いいたします。なお、署名用紙は柿のたねにもありますし、ご連絡いただければすぐ郵送させていただきます。

(都立定時制高校を守る会会員・中村直子)

集めました!マジカルミステリーツアー

11月23日、マジカルミステリーツアーの行き先は鎌倉。快晴を期待していたが、当日は曇り空。でも、色付きつつある木の葉ともマッチして、歴史の風情を味わうのにもいい感じだったのかも。残念ながら、この日の私の興味はそういう方向には向かなかったが。

学芸大学から電車を乗り継いで、北鎌倉まで。当日まで参加者に知らされていなかったというツアールートは、まず円覚寺からスタート。来たからには一応参拝しようとお賽銭をあげて手を合わせる。ここでお抹茶を一服。

東慶寺ではお墓がたくさんあったが、ほとんど素通り。もう少しちゃんと見ればよかったかな。まっ、今度は目的が別のところにあるから、お勉強のほうはいいことにしよう。

ということで、またまた移動。かなりお腹も空いていたが、しばし我慢して歩いて鶴ケ岡八幡宮へ。どうやらそこで昼食。待ってました!とお弁当を広げ腹ごしらえ。

昼食の後は、小町通りに繰り出して買い物。満腹でも食べ物の店があると目がいってしまうのは、私が食いしん坊だから。だけど、鎌倉のお菓子は美味しいんだもん。こういう時に買うしかないではないか。おまんじゅう10個とおせんべいで、周りの仲間を驚かせてしまったみたいだけれど、あれは家へのおみやげだよ。なんて言いながら、ソフトクリームは食べたし、帰ってからおみやげのほうもしっかり味わったのだけれど。出来立てを買っていったから、味はベリー・グッド。おいしかった。

行きも帰りも現地でも、急な坂道や階段で、私の車椅子を持ち上げてくれた男性陣、ありがとう。簡易型とはいえ電動バッテリー付きだから、重くて大変だったよね。駅はもちろんだが、歴史的建造物のある古くからの観光地でも、景観をなるべく損なわずにバリアフリーにできないものだろうか。

柿のたねの野外レクはこれまで、雰囲気的についていけないという感じを正直言って持っていた。鎌倉行きもギリギリまで参加しようかどうか迷っていた私だったが、最近一緒に活動する機会が増えたからだろうか、今回はすんなりと溶け込めていた気がする。これからもどんどん出ていいな、と思えた。

車椅子の仲間も一緒に行こうということで企画をしたとか。そう聞いたら、行かなくちゃと思ってしまう。顔を見るたびに「鎌倉行こうよ」と誘ってくれていたきくえサン、ありがとう。

(武田真希)