1999年8月の柿のたねニュース

「障害者行動計画」の中間まとめ案

7/16(金)におこなわれた「第二次障害者行動計画」の中間まとめ案の説明会の折、柿のたねとして要望書を提出したことは先月の通信ですでに報告しましたが、その後障害福祉課長より要望書の細かい内容について聞きたいという旨の申し入れがあり、7/23(金)に課長と面会し、あらためて要望書に則って話をしてきました。

課長の話によると、前回の懇話会、今回の説明会を通してきちんと要望書を提出したのは柿のたねだけで、思いはよくわかるとのことだが、それならば是非実現へ向けて具体的に検討してほしいと項目事に再度説明をした。

知的障害者の24時間介助制度の新設については、区の財源の問題が厳しい状況の中簡単に返答はできないという課長の話に対し、こちらは当事者にとっていろんな選択肢が保障されるべきとして今後もこだわりつづけるということで平行線をたどった。またショートステイについては、課長の「病院への措置と受け取られるのは心外で、ベッドで寝起きはするが、生活の保障はされている」という見解に対し、医療的な処置が必要な場合を除き、あくまでも日常生活の延長として保障されるべきで病院はショートステイの場として適さない。まして病院が持つイメージは「障害者=病人」という偏見を生みやすく、障害者の社会性を著しく損ないかねない。原則は在宅介助でありそれが難しい場合、可能な限り生活空間を保障できる場を提供するべきだと主張、障害者の生活に対する認識のずれを感じる。雇用についても、区の福祉就労を中心に置いた考え方と、われわれが取り組んできた一般就労へ向けての実践との温度差を感じてしまう。一番大きなテーマとして教育の問題があったが、課長は時間がないという事で退席し、障害福祉課の職員に話をしたが、反論もなく文字通り聞きおくだけだった。

その他にも問題はあるが、時間もなく今後の課題となった。今回だけでなく、今後も機会のあるごとに話し合いの場を重ねると同時に柿のたねでも具体的な解決の糸口を求めて活動を続けていきたいと思う。

(無着麗子)

都立定時制高校の統廃合に反対しましょう

少子化だから統廃合は当然か

6月29日に東京都教育から「統廃合・改篇」第二次実施計画案が公表されました。これによると、すでに決定された第一次実施計画と合わせて、実に31校もの定時制高校が廃校にされてしまうというものです。

以前、教育委員会自身が「生徒急減期は教育条件改善の絶好の機会」といっていたように、全日制・定時制の一クラス定員の削減を始めとして、統廃合以前にやらなければならない改善は、本当に生徒のことを考えるならたくさんあるはずです。公教育を充実させるために使われる税金は,決して無駄遣いではありません。

実施計画のめざしているもの

一次、二次計画を合わせて見ると、教育委員会の意図が、驚くほど明白にわかってきます。一方では進学校をより強化すると,これによって更なる選別の強化が始まるという事であり、と同時に、私にとってはこちらの方がとても気になるところなのですが、定時制高校や一部の全日制高校を「適正配置」の名のもとに統廃合・合理化してしまうことによって、大量の子ども達を公教育から切り捨てるということ以外の何ものでもありません。

本来的な意味で,都立高校の学力を底上げしようとするのではなく、真に教育を必要としている、あるいは勉強したいと思っている大量の子ども達、人々を切り捨てることによって成り立つ教育とは、一体何なのでしょうか。

今,本当に必要な学校は

柿のたねの周辺には、定時制の卒業生や在校生が、たくさんいます。ハンディキャップをもっていたり,不登校の経験者だったり,いろんな違いはありますが全員に共通しているのは、定時制高校へ行って元気が出たり,心が癒されたり、生き生き自分の道を進めるようになった、ということだろうと思います。

社会でたくましく生きていける力をつけている教育こそ、真の教育ではないでしょうか。

今,本当に必要な学校は

つまり,現在の夜間定時制高校そのものではありませんか。増やす必要はあっても、減らしていくなどとんでもない間違いだと思います。これからの子ども達のためにも、こんなひどい「改革」を黙って見過ごしてはいけません。

あらゆる手段で反対の声をあげよう

現在,都立定時制高校を守る会連絡会では、該当校の守る会と共に、署名運動、教育委員会に対する要請行動、議会に対しての活動、その他あらゆる方法での取り組みを考えているところです。私もその一員として,統廃合を許さないためには何が必要か、模索しております。

たくさんの力を合わせて,定時制高校を守っていくために,皆様のご協力・ご支援をよろしくお願いいたします。

(都立定時制高校を守る会会員・中村直子)