2006年4月の柿のたねニュース

息子の小学校の6年間を振りかえって

息子はこの春小学校を卒業し、今は中学1年生です。自閉症と言う障害を持ちながら、普通学級に6年間通いました。

就学相談では「親の見栄で普通学級を選ぶのですか?」と言葉を投げかけられ、養護判定を受けましたが、地域の小学校に通わせたいと何度も話をして、母親が付き添う条件でやっと小学校の普通学級に通えるようになりました。

1、2年生の時は息子がパニックになったり、大声を上げたりした時は担任の先生が子供たちに「今〇〇〇ちゃんは気持ちを上手く伝えられなかったり、頑張りたい、だけどできないから悔しい思いをしている」等、その時の状態を話してくれたおかげで「頑張れ〇〇〇ちゃん!」と、友達が励ましてくれまして、嬉しく思いました。

しかし登校から下校まで付き添っていたので、私や下の子が病気等の時も付き添えず、仕方なく本人に学校を休ませた事もありました。

遠足やプールの授業に支援の必要な児童にはサポートの人が付きましたが、息子は養護判定と言う理由で私が付き添い、同じ小学校に通いながら判定が違うだけで差別されていると感じました。

息子は情緒障害児学級である「ゆりのき学級」に通いながら普通学級に通い彼なりに成長していきました。朝会や体育の時は列に並んで立っていられるようになったり、習った歌等も半年か1年後に口ずさむようになったり、又ひらがなで自分の名前も書けるようになりました。子供たちは授業の時や休みの時も誘って仲間に入れてくれたり、息子が一つでもできることを発見すると感心して他の友達に伝えたり、暖かく接してくれましたので、息子も楽しく学校に通うことができました。

2年生の3学期に学校から何回も身障学級に転校するよういわれましたが、引き続きこの学校に通わせたいとお願いしました。しかし3年生から学校の対応は、今までとは変わってきました。

自閉症のこだわりで指にちょっとした傷でも絆創膏を貼らないと気がすまないところがあって、2年までは担任の先生か保健室の先生に絆創膏を貼っていただいたのですが、3年からは「特別な扱いはできない」といわれ、保健室に行っても「本当の怪我ではない」と貼ってもらえず、不安定になりパニックになっていました。

そういう状態になると学校からは「授業中パニックになることはやはり普通学級は彼にとっては辛いものだから、もっと丁寧に見てもらえるところに行ったほうが良い」といわれましたが、その都度そうなった理由を説明してきました。

3年の1学期に私が病気で寝込んだため学校に付き添って行けず、困っている時に友人に柿のたねを紹介され、櫻原さんに相談しました。

その後学校との話し合いには櫻原さんに同席していただき、学校介助は母親以外の方でも認めてもらいました。

3年の3学期の終わりに教育委員会の責任者、学校側、櫻原さんと私で話し合いの場を持って、安全に配慮が必要な授業に関しては学校から介助の要請がある場合には協力してほしいとの結論になり、学校介助が一部外れました。

私が急病で学校付き添いができなかった時、連絡帳に無責任過ぎる、学校を変わるようにと書かれましたが、この件をきっかけに学校と十分に話し合った結果、6年生まで受け入れると話してくれました。

息子もこの時期に幼児のときにあった自傷がまた出て、先生にも攻撃的になった時もあって大変な一年でした。

5年生になって、やっと落ち着いたと思ったら、事件が起きました。

給食の前にいなくなったのです。

方々手を尽くして探しても見つからす、夜8時過ぎに大森警察署に保護されたとの連絡を受けました。迎えに行ったら、本人も悪いことをしたと思ったのか目を瞑ったまま私を見ようとしませんでした。

息子が見つかったとの一報が入ったとき遅くまで探してくださった先生からは歓声が上がったようです。一生懸命探してくださった先生、地域の皆様には本当に感謝しています。

丁度この時期を前後して小学校で教育支援制度の適用が広くなり、息子にも一部の授業にはサポートしてくれるようになりました。

5、6年は同じ担任の先生でしたが、校長先生、ゆりのきの先生、私と数回四者面談を行い、受け入れ態勢を整えて下さり、授業、行事等あらゆる面で配慮し、支えてくれました。そのおかげで、運動会、5年生のパーシモンホールでの音楽発表会、移動教室、6年生の鼓笛パレードを頑張って成し遂げ、又楽しむことができました。6年になってからは私も子離れする意味で学校での付き添いを止め、息子は介助の方と学校生活を送ることになりました。

先日卒業式で卒業証書を胸に体を横に揺れながら満面の笑みで楽しそうに歌う息子の姿を見て、ある同級生のお母さんからは「〇〇〇ちゃんにこにこしていて、とても可愛かった」と話してくれました。私もこの姿を通してこの学校に通わせて本当によかったと改めて思いました。

柿のたねやはちくりうすの方、ゆりのき学級の担当の先生は息子が在籍校のクラスで給食の食べ方や色々なこだわりで友達に迷惑をかけたり、問題を起こす度対応し、必要な時はクラスで話をしてくれたりして支えてくれました。

又プールの介助、高学年になってから学校授業介助に入ってくださった方々にも支えてもらいました。

辛いこともありましたが、おかげさまで息子は6年間学校に楽しく通うことができました。

色々ありましたが、普通学級担任の先生、ゆりのきの担任の先生、息子かかわった全ての先生、子供たち、柿のたねやはちくりうすの方々、学校生活にかかわって下さった全ての方に感謝します。6年間ありがとうございました。

(S.O)

自立支援法学習会報告

4月のイベントの一環として、4月8日に「自立支援法学習会」を開催しました。

最初の告知に時間を間違えたりして、とっても迷惑をかけて申し訳ありませんでした。

さて、講師にお迎えしたのは、「難病を持つ人の地域自立生活を確立する会」代表の山本創(やまもと・はじめ)さん。

プロフィールは――4歳ころより原因不明の動揺性歩行、階段がのぼれないなどの症状を発症。25歳で再発。難病である重症筋無力症と診断され、なかなか障害認定がとれない「制度の狭間」の問題の解決にむけて活動中の方です。

まだまだ決まっていないことの多い「自立支援法」について、その成り立ちの問題点からわかりやすく講演をしていただけました。

また、実際の個別ケースにおいて、地方での自立生活が1割負担導入で成り立たなくなっている現状や、知的障害者の地域生活が作業所やデイサービスなどでの利用料の負担増や移動介護の見通しの不安・グループホームの類型化についての問題点など、自治体への働きかけを呼びかけて講演を締めくくりました。

「自立支援法」の概略については、前号と次号で桜原さんからの原稿にゆずるとして、目黒の柿のたねで抱えている疑問点について、質疑応答の中で答えていただいた点について触れて見たいと思います。

移動支援について

移動目的は市区町村が決めてよい。

使制限がゆるくなる可能性が出てきた。

通勤・通学にも移動が使えるようになる可能性がある。

個別での給付になるだろう。

義務教育で分けられて教育を受けて、社会に出てから一緒に…というのは難しい。

インクルージョンの社会のためにも、普通教育で一緒に育っていくべき。

就労支援について

福祉的就労から一般就労への移行をめざしている。

就労移行で一般就労に移行出来たとき、加算がある。

受け皿作り(企業側)の構築がはっきりしていない。

精神障害者を法定算定数に加える方向だが、症状に合わせた就労支援が必要。

所得保障が充分でないまま負担増だけが始まったことに対しては反対してきた。法定雇用率はむしろ下がっていた。

ジョブコーチについては、今までの支援の範囲ではないかと思う。

障害者就労支援センターの拡大で予算を増やしている。(相談業務)

世田谷のスキップというセンターは知的中心で相談業務にのっている。

区分6の人について

包括か重度訪問かを選べる。

包括で45万円で24時間は出来ない。

都の場合は国の基準に積み上げている。

重度訪問で積み上げを考える…ということもある。

フリーマーケットに行こう!!


明治公園でのフリマ風景

私が柿のたねのフリーマーケット(以下「フリマ」)に関わり始めたのは、今から3年前になります。当時はサラリーマンだった私には、月に一度のストレス解消といった軽い気持ちで参加させてもらってました。それがここまで関わることになるとは…。

現在、柿のたねとしては「東京リサイクル運動市民の会」という団体が主催しているフリマに出店しています。会場は主に明治公園と大井競馬場です。週末や祝日にはいたるところでフリマが開催されていますが、このふたつの会場は出店数、客数どちらをとってもダントツです。

出店しているのは一目で業者とわかる人から素人まで、売られているものも骨董品、ヴィンテージものから衣類、日用品と様々です。中には車を売っている人もいたりします。値段も100円程度のものから数万円もするものまで!(それでも市場価格より安いんですが…。)

フリマの魅力はその安さと掘出し物を探す楽しみですね。お目当ての品物が見つかったら、早速値段交渉! フリマは値切ってナンボです(笑)。さすがに開店直後は渋られますが、閉店間近には驚くほどの値引きも期待できます。リサイクル品やわけあり品が気にならない方なら半日いても飽きません。

さて、わが柿のたねのフリマはどうでしょう?日頃皆さんからご提供いただいた品物から厳選(?)した商品を持ち込んでいます。骨董品やヴィンテージ物というわけにはいきませんが、安さと商品のバリエーションで勝負です!季節ごとに目玉商品を考えたりといろいろと工夫もしてるんですよ。私も参加したばかりのころは、持って行った品物をただ並べるだけでしたが、慣れてくると見栄えのする陳列を考えたり、目をひくポップ(値段だけでなく気の利いたコメントも入れたりします)を作ったり、お客さんとのかけ合いも楽しくなってきました。

フリマは買いに行くもよし、売りに行くもよしの楽しいイベントです。皆さんも是非この機会に柿のたねのフリマに参加してみませんか?

フリマスタッフ大募集!

現在、柿のたねではフリマに参加していただけるボランティアスタッフを募集しています。特に車の運転が出来る方を探しています(但しAT免許不可)。

詳しいことは柿のたねまでお問合せ下さい。

TEL 03-3794-0367

E-mail:kakinoki@big.or.jp

(さかな)