2006年2月の柿のたねニュース

餅つき会のご報告


「ペッタンペッタン」、今年は今までと違う雰囲気の中で始まりました。

ボランティアセンターにおもちつきのお手伝いをしてくれる方を誘っていただきました。

当日、男性の方2名が来てくれました。

まず、臼の回りにまき塩をして、安全を祈ったのでしょうか。

このことも、ここ数十年餅つきをして初めてのことでした。何だかカルチャーショックです。

私自身、餅つきのイベントの時、毎度裏方をやっていて皆んなの楽しい顔を垣間見る程度なので、このお二人の大活躍についてはちょっとだけ見ていたりしてはいました。

皆んながついたお餅をヘラを使い、「こういうふうにやると、絹だまみたいできれいでしょう」とやってみせてくれたり、感激でした。

毎年、つきては参加者が、頑張って代わる代わるついて、私の手元に来るまでは、ベターっとしているのですが、今年はまゆ玉。また、おもちのかえしはさと子さんがやっているのですが、やり方を伝授してくれたりして、大変参考になったそうです。

おもちつき、されどおもちつきです。

当日60名強の参加者で、お雑煮、きなこ、のり、納豆、あんこ、でからめて美味しくいただきました。

参加者からは「やっぱりつきたてはおいしいね」「また来年来たい」との声が聞かれていました。

もちつきにミカンのさし入れをしてくれた方、ありがとうございます。また、ご近所の方々にはご迷惑をおかけいたしました。

(ことえ)

優子さんのこと

少し古い話しになるが、優子さんとの年末年始はいささか濃厚だった。時期はずれのクリスマスディナーから、初詣、正月映画まで。

クリスマスディナーは、祝日、土曜休みのない職場で働いている彼女に、年一回くらい贅沢をしようと一昨年からはじめたことだった。支払いが高額だったことだけではなく、その日の経験は彼女に「大人」を意識させたようだ。その時に飲んだ貴腐ワインのおいしさゆえかも。

クリスマスの当日はお値段が。ということで、2-3日ずらしのディナー。お任せコースのフレンチは鶏の白レバーテリーヌなど気の利いたメニューで年一度の贅沢を堪能した。

年末は30日まで仕事。正月は5日まで年始休暇がとれると聞き、正月休暇は正月らしく過ごそうということでお不動さんの初詣に誘った。準備の時間が必要だということで30分後にもう一度電話をする約束をした。約束通り電話をして落ち合う場所を決めようとしたらもうお不動さんへの道の途中という。とりあえず待ち合わせ場所をきめ、彼女の弟も誘おうと電話をすると去年おばあさんが亡くなっていたことを言われた。そうだった。私もお通夜に出席したのだった。そして、なぜ彼女が私の電話を待たずに家を出てしまったのかということがようやくわかった。彼女はそのことを承知していて家族に止められる前に早々と家を出たのだ。正門前で待っていた彼女に忘れていたことを謝ると「おめでとうございます」と小さな声でいった。弔事はこの際忘れてお参りをし、御神籤を買った。私も、彼女も「大吉」だった。

長い正月休み、映画を観に行く約束をしてその日は終わった。

約束の日、観たい映画を尋ねると「リトルチキン」や「嵐の夜に」のアニメコース。ところが私が観たくない。アニメでないやつと注文をつけると「男たちの大和」と言う。ぴあに100万人動員目標と言うのを見たらしい。正月から戦争の映画はいやとまた私がわがままを言い「嵐の夜に」にした。渋谷の映画館に行くと「キングコング」をやっている。「キングコングにします。決めました」と言う。そして、ちょっと誇らしげな顔をした。それは、アニメでない映画だよということらしい。映画は根本悦子ばりの金髪の美女に恋した野獣の恋ゆえに破滅していくという筋書きで差別と偏見にみちたもので、しかし、CG技術はすごいものであった。字幕で大丈夫だったかな思いつつと感想を聞くと「すごい」と一言。「でも残酷な映画だよね。人間の勝手で引っ張りだされて殺されて」といったら、しばらく間をおいて「そうです」と彼女は答えた。

優子さんは、今年30歳。自立ということが時々頭を行き来するようだ。しかし、自立といっても、大事なのは生活を楽しむ術の豊かさだ。長い正月休暇がようやくとれても一緒に楽しむ人がいなければ普通の休みの延長なのだ。友人、仲間という、人との関係が必要なのだと思う。

まじめな優子さんの「(職場が)忙しいんです」の一点張りを説得し、3月にはみんなの家で企画する箱根1泊旅行に参加する。同世代の友人たちとの友交を深めて観たい映画を一緒にいく約束をしてきてほしい。

(伊東)