柿のたね リニューアル 〜その壱〜
5月から始まった柿のたねのリニューアル、今回はドーンと写真を公開!!
遊びに来ていただいた方々からは「きれいになった」「広くなったんじゃない?」「柿のたねじゃないみたい」など賛否(?)両論いただいておりますが、皆さんはどうですか?
入り口は木の扉は地味に塗りなおされ(誰も気がついていないかも…)ノブもシンプルなものに。ガラスのサッシはそのままですが、テントはブルーから黄色に模様替え!目にも鮮やかな黄色地にシンプルな「柿のたね」のロゴが映えます。
入り口を入ると、まず目に付くのは右手のグリーンの棚。実は以前からあった棚を塗りなおしただけなんですが…(写真は次回)。
壁紙と床、天井もきれいに張り替えました。白とグリーン、こげ茶とシンプルで明るいイメージでまとめました。
照明器具も明るいものに替えたことで、部屋のイメージがガラッと変わりました。
明るくて広いトイレは居心地(?)満点! でも長居はしないで下さいね(笑)
次回では喫茶室やガレージセールについて特集する予定です。お楽しみに〜。
(さかな)
はじめまして、どうぞよろしくお願いします
柿のたね 新任専従職員 魚永 哲
この春よりNPO法人はちくりうすの理事長に就任されたチェリーさんにかわり、柿のたねの専従職員として働くことになりました。
私自身は柿のたねとの関わりは、まだ2年程度しかありません。最初はフリーマーケットのドライバー兼売り子として、月に一度参加させていただく程度でした。当時はまだ営業マンとして某企業に勤めていました。
その後、会社を辞め、都内の事業所で障害者の介助の仕事を始めてからは、少しずつ関わり方が変わり、昨年秋からは無着さんの介助に入るようになり、今回のNPO法人の立ち上げには理事の一人として参加させていただくことになりました。
柿のたねの長い歴史からすれば、私の関わってきた時間はまだまだ短いものであると思いますが、今までの活動を尊重しつつも、「新しい」柿のたねを作っていくにはどうしたらいいか、真剣に取り組んでいきたいと考えています。
馴れない仕事で、いろいろとご迷惑もおかけするかと思いますが、そこは長い目で見ていただき、皆さんに教えていただきながら、新しい柿のたねを一緒に作っていけるよう、がんばっていきたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
(さかな)
『障害者自立支援法案』を巡って
一部の新聞やTVでも報道されたので、ご存知の方も多いと思いますが、7月13日(水)障害者自立支援法案が衆議院厚生労働委員会で採決されました。7月5日には全国からこの法案に反対する、障害当事者や関係者ら1万1千人が日比谷公園に集まり国会請願を行い、この法案では自立はできないと訴えました。自民・公明の与党はこれらの声を無視する形で、強行採決に踏み切ったわけです。
私は、昨年から続いている、国の障害者施策の改革に対する障害者運動に介助者として参加してきました。台風の激しい風雨に耐えながら、また真冬の冷たい雨の中、震えながら請願デモや座り込みを行う障害当事者の方たちと一緒に運動をしていく中で、ここ最近のこのような動きには疑問を感じないわけにはいきませんでした。
平成15年4月に支援費制度がはじまり、多くの障害当事者の方々が施設や親元を離れて自立の道を選んできました。地域格差の問題などまだまだ解決しなくてはならない問題が残されているのも事実ですが、多くの方がこの制度により地域で自立生活を送るという夢を実現させたという点では、画期的な制度だったのではないでしょうか。
しかしながら昨年、厚生労働省は予想以上の利用者の増加により予算不足となり、このままでは支援費制度が存続できないとの発表を行いました。今回の『障害者自立支援法案』もそもそもは財源不足がきっかけであり、最大の問題点である「応益負担」についても制度を長く存続させる目的で導入すると厚生労働省は明言しています。
この「応益負担」をはじめ、今回の法案ではいくつかの問題点が各方面から指摘されてきました。中には厚生労働省がこの法案が出来る前に行なわれた社会保障審議会・障害者部会に提出したデータに誤り(恣意的なデータの捏造ともとれますが…)があったなど、審議以前の問題もありますが、財源確保というのは今後の制度の存続という意味ではたいへん重要なファクターであると私も思います。今回の委員会での審議の中で野党側の議員の質問の中に「福祉とはみんなで支えあうという考えに基づいているのではないか」という言葉がありました。そういう観点でみれば、障害者の所得保障という以前に、福祉施策に関してはすべて税金や介護保険のような制度でまかなうべきなのかもしれません。しかし、その為の増税となるとどれだけの国民が同意するのか。それはこの法案に対する世間の関心の低さを考えると、悲観的になってしまうのは私だけでしょうか。
『障害者自立支援法案』の審議は参議院に舞台を移しました。国会の会期は8月13日までです。この法案が可決されるか否かは別として、障害者福祉とは何なのかを、今一度考え直さなければならない時期にきているのではないでしょうか。
7月13日、衆議院厚生労働委員会で強行採決が行なわれた、その瞬間に配られた抗議文を以下に載せました。皆さんはこの法案とそれを巡る今回の障害者や関係者による抗議行動について、どのように考えますか?
(魚永 哲)
障害者自立支援法案の衆議院・厚生労働委員会採決に対する抗議文
このままでは自立できない!このままでの成立は認められない
昨年10月の「改革のグランドデザイン案」が発表され、さらに今年2月に「障害者自立支援法案」という形でまとめられ、国会に上程された。わずか4ヶ月でつくられた「自立支援法」は、文字通り障害者施策全般を大きく塗り替えるものであるにも関わらず、この法律で深刻な影響を被る障害者の声に耳を傾けることなくつくられた。こうした「自立支援法」に対して、「私たち抜きに私たちのことを決めるな!」お訴え、何度にも渡る行動が繰り広げられてきた。
5月12日には9,000名にものぼる障害者・関係者が集まり、2,000名による国会請願が行なわれた。5月11日に衆議院厚生労働委員会での審議が始まり、参考人質疑も数回開催されてきた。与野党問わず批判と疑問を表明する発言が相次ぎ、参考人質疑でも問題点が提起されてきた。しかし、そうした問題点の指摘にも関わらず、通り一遍の答弁が繰り返されるだけだった。さらに、法案に至る検討を進めてきた社会保障審議会・障害者部会では10倍以上も異なる誤ったデータが指摘されると、大慌てで部会を開催し「訂正」する等、法案に対する疑問と不信感は深まるばかりである。
一時中断していた国会審議が7月に再開されたが、その直後の7月5日には障害者運動の歴史に残る1万1,000人の障害者や関係者が国会請願を行ない、「このままの障害者自立支援法では自立はできません!」と訴えた。短期間の呼びかけにもかかわらず、これだけ多数の参加を得たのは、「自立支援法」に数多くの重大な問題があるからだ。
「応益負担」は、障害者が生きるために必要な支援を「益」とする考え方であり、きわめて貧困な所得保障の現状で導入すれば、命を削らざるを得なくなる。
審査会によりサービスが決定される仕組みが導入され、ホームヘルプは国が決めた基準が事実上の上限となり、重度障害者の地域での自立生活はできなくなるのではと不安の声が強くなっている。
またガイドヘルプや手話通訳は国の事業からはずれ市町村まかせの地域生活支援事業となり、社会参加・コミュニケーション支援が大きく後退することになる。グループホームは障害程度でふり分けられ、ホームヘルプ・ガイドヘルプの利用も大きく制限される。
精神障害者の通院公費、更生医療、育成医療の見直しにより負担が増え、医療の中断を引き起し、命に関わる問題が生じる。難病などの『谷間の障害者』の問題も先送りされたままである。
こうしたことの結果、ようやく定着しつつあるノーマライゼーションという考え方にも、また施設から地域生活への流れにもブレーキがかかることになる。このような障害者の自己決定、自己選択を揺るがす法案について、私たちは、国会に対して採決を急ぐのではなく徹底的な審議を求めてきた。
にも関わらず、本日、衆議院・厚生労働委員会で採決されたことに対して、私たちは大きな怒りを禁じ得ない。先日示された与党提案の修正項目はごく僅かなものにとどまり、この法律の問題点を何ら解決するものではない。当事者抜きで拙速につくられた法案が、国会で十分な審議や見直しが行なわれずに、このまま通過していくことは到底認められない。
私たちは、障害者や関係者の不安の声に応えることなく、与党が多数の力をもって採決したことに対して、ここに強い抗議の意志を示すものである。
今後、舞台は参議院に移ることになるが、再度、障害者や関係者の声を真摯に受け止め、地方公聴会や障害当事者からの参考人質疑などを開催し、継続審議をも含めた徹底審議がなされなければならない。
1万1,000人の行動に示された全国の障害者、関係者の「私たち抜きに私たちのことを決めるな!」の声を、国会が真摯に受け止めることを求めるものである。
2005年7月13日
障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動 参加者一同
※これは衆議院厚生労働委員会で強行採決が行なわれたその瞬間に、国会前に集まった障害者・関係者に配られた抗議文です。