2004年8月の柿のたねニュース

柿のたね夏合宿の報告
台風直撃後の田牛海岸はけっこう悲しい

7月31日から伊豆の田牛海岸に合宿にいってきました。実行委員長はベテラン福田孝広くん、実行委員は昨年の合宿で指名されたオヤジ2人。事前に数回の打ち合わせと、イベントの段取り、意味深な数字を記されたしおりの発送を終え、一応準備は終えていたものの、四国の沖に居座る台風10号とともに一抹の不安も残る幕開けでした。今年で何回目でしょうか、今まで快速と鈍行を乗り継いでいた行程を、特急踊り子にしたのは(参加者の高齢化という話もありますが)。とにかく指定席を取っているので遅れちゃ大変と集合時間を決めたのですが、みんな集合時間に遅れずに集まってしまい(あたりまえ)横浜で長い時間待っていたとのこと。やっぱり何事もサバよんではいけないということでしょうか(後発組だったので、このへんは後で聞きました)。

午後1時ごろ出発した後発組の私は踊り子に乗り、晴れたり降ったりの妙な天気を眺めながら(ビールを飲みながら、いったい何度天気が変わっただろうか)下田駅に到着したのでした。下田は曇ってはいるが、雨は降っていない。バスから見る途中の海水浴場も結構人がいるし台風の影響はなさそうだ、よかった。田牛海岸について海を見ると人がほとんどいない、しかし人がいないほうがのんびりできるし、んっ、でもなんか変、あ〜〜砂がない。そうです、台風の波に洗われて田牛海岸の砂はみんな流されてしまっていたのでした。それでも曇り空の下、防波堤の脇にわずかに残った砂にパラソルを差し、その下でひざを抱えて海を眺めるメンバーを見つけ合流できました。結局海に入っていたのは子供たちだけだったことは言うまでもありません。少し小雨が降ってきたので宿に戻る、明日の天気は…。

夕食のあとは実行委員が厳選した海グッズ争奪大ビンゴ大会。景品を受け取って喜ぶ面々、しかしここで実行委員が仕掛けた、しおりにつけたナンバーで来年の実行委員を選ぶという罠が。委員長自らがしおりを忘れるというハプニングもありましたが、ナンバーを控えていたので問題なし。今年の実行委員が全員再任されるという墓穴を掘った結果になりました。

2日目は昨日がウソのような快晴。わずかな砂を求めて朝食前にパラソルを持って場所取りにいくも、すでに昨日の場所には先客が、仕方ないのでちょっと離れた場所にパラソルを立て、石を片付けてシートをおく。みんな考えることは同じだなあ。海は少し波が高いが昨日まで出ていた遊泳禁止の旗も今日はなし。存分に海につかることができました。しかしなんと私たちのパラソルの前で砂を掘り起こしそれを運んでいくという重機を使った工事が始まり、海に入るのに道路を渡っていくような雰囲気。なにも観光客が多い日曜日に工事しなくてもと思いつつ砂を掘り返すショベルカーを見ていました。というわけで今日のイベント砂像つくり大会は砂がないので中止。でも生き物探しは賞品のアワビをめざして盛り上がり、夕食のとき勝ったチームのテーブルにはアワビの踊り焼きがおいしそうにのっていました(でもほかのテーブルにも宿のサービスの舟盛りがありました)。夜のイベントは花火。今年の花火はいつもとは一味違います。インターネットで調べて日本橋まで買出しに行ってきました。花火の盛り上げ方までレクチャーを受けたんです。打ち上げ花火はちょっとしたものでした。

ああもう帰る日だ。半日しかないのでちょっとあわただしい。海に入っても帰りの時間が気になるなあ。みんなもっと海にいたいとのこと、来年は帰りの時間を遅らそうということになりました。東京に帰ると、台風はまだ日本海でした。

3日間で一泊の人、日帰りの人、初めて参加した人のべ25名の合宿でした。皆さん楽しめましたか。来年もよろしく。

(島田宏)

柿のたね18周年活動報告
これからも末永くよろしくお願いします

この夏柿のたねは19年目を迎えました。そこで清水社会教育館において18周年活動報告と講演会を開催しました。この老朽化した会場は柿のたねができる前、また設立直後によく利用していてなつかしさを感じます。入口はいまだに狭い階段からしか上がれないというバリアフリーとは程遠い使い勝手の悪さなのですが、今年度いっぱいで閉館することになっていて、今回でたぶん最後の会場利用となります。

私たちは設立以来障害者や健常者が地域でいっしょに生きていくための学校に替わる出会いの場、誰もが自由に集まることができる溜まり場として活動を続けてきました。この間多くの方々のご理解いただき、市を支える提供品のご支援や活動を維持するためのカンパを寄せていただきました。その中で無着邦彦さんをはじめとする何人かの障害をもつ仲間たちが地域で生活し、また福祉就労ではない企業に就職し、ともに地域で生活する社会を実践してきました。

一方で活動が広がるとともに、財政面では不況が深刻化する中、近年は毎月の赤字をバザーやボーナスカンパでなんとか先延ばしするような状況が続いています。とくに収入源の大きな柱となるリサイクル事業は100円ショップや廉価店の台頭で減収の一途を辿り、そのあり方も含め現在再建会議を継続しておこなっています。そして今後の活動を支えていく上であらたな事業の必要性を痛感し、来年度の支援費ヘルパー派遣事業立ち上げに向けてこの秋あらたにNPO法人設立を目指しています。その詳細については次号以降あらためて報告をしたいと思います。

また柿のたねの活動の原点となる障害児の普通学級在籍の支援として、今後特別支援教育についての取組みもさらに進めていきます。今回講師としてお招きした、片桐健司さんの講演報告も次回掲載したいと思います。

柿のたねは2年後には20周年、成人式を迎えようとしています。最初にまいた小さなたねが育ち、これからも大きな実を熟していけるよう活動を続けていきます。今後ともみなさんのあついご支援ご協力をお願いします。誰もが生きやすい社会をぜひ一緒につくっていきましょう。

(櫻原雅人)