2003年11月の柿のたねニュース

就学時健康診断は受けなくてもいいのです

就学時健康診断は何のためにおこなわれるのでしょうか? 元々は義務教育が始まる前に誰でも検診を受ける事ができる行政サービスとして国がおこない、各自治体に実施義務はありますが、受けなくても学校に通えなくなるようなことはありません。しかし現在では本来の目的からかけ離れ、入学前に身体検査や知能テスト、学校長との面接等をおこなう事によって、障害を持った子どもを見つけ出し、教育相談の名目で分離教育を推し進めようとしています。

教育を受ける権利は基本的人権の根幹です。それが障害があるということを理由に選択の幅を狭められ、同年齢の他の子といっしょに学び育つ権利を奪われてしまうのです。「子どもの権利条約」や「サラマンカ宣言」では障害を持った子は普通学級で教育されなければならないとうたっています。ノーマライゼーションという意識が社会の中で定着しつつある中で、学校教育の場面ではいまだに立ち遅れたままなのです。

いっしょに学び育つ事で確かめ合い認め合う

子どもたちは毎日を一緒に過ごすことでお互いの存在を確かめ合い、認め合いながら成長していきます。普通学級の中では障害を持った子どもに対して、自分と違う部分を揶揄する子どももいるかもしれません。けれどそれをとがめる子どもも必ずいます。そうした中で何がよいことなのか、何をしてはいけないのかという善悪を身につけていきます。いっしょに学び育つということは障害を持った子どもだけの問題でなく、周りの子どもたちにとっても大切な事なのです。もし学校生活を別々に過し、社会へ出たらノーマライゼーションだからいっしょに生きていきましょうと言われて、どれだけ説得力があるでしょうか?授業で押しつけられるボランテイアでいったい何が身につくのでしょう。

特別支援教育の在り方について

LDやADHDなど多様化する子どもたちの現実について文部科学省も検討を始め、東京都も心身障害教育の改善に向けて動き始めています。就学時健康診断について考える集いでは、その中身について学習会をおこないます。これからの特別支援教育とはどうあるべきなのか、特別支援教室はこれまでの障害児学級や養護学校とどう違うのかを、東京都の検討委員会の議事要旨や資料などをもとに、その中から私たちが地域社会の一員としていま何をするべきなのか、誰もが楽しく通うことのできる学校にするにはどうすればいいかを考えていきたいと思います。ぜひご参加をお待ちしています。

鷹番小学校秋バザー無事終了!
〜みなさんほんとうにありがとうございました。〜

衆議院議員選挙のおかげで開催日程や会場が確定せず、ほんとうにハラハラさせられた今回の秋バザー。これで雨でも降られた日には泣くに泣けないよなぁなんて思っていたのですが、当日はいい天気になり、おかげさまで無事終了することができました。

事前の宣伝活動は公営掲示板にポスター掲載はされたものの、目黒区報は所管の関係で原稿が直前まで出せずボツ(これについては今後検討しなければいかんなぁ)、新聞各社のイベント欄にも取り上げられず、不充分の感は否めませんでした。

あまつさえ総選挙を避けるためにあえて連休の中日という本来好ましからざる日取りで、マスコミはこぞってマニフェストだ政権交替の可能性があると投票行動をうながしていたので(もちろん選挙は大切な国民の権利、いや義務です。それにしても投票率低かったなぁ)、みなさんお出かけやレジャーはこの連休に集中してしまったかもしれません。その上当日はあちこちでバザーやフリーマーケットも開催されていたようで、お天気の割にはお客様の入りはいまいちだったかもしれません。それでも開始直前には長蛇の列でみなさんお待ちいただいて、ほんとうに感謝感謝でした。

今回で2回目となる体育館での開催ですが、前回の轍を踏まえ靴を入れるビニール袋は開始前に配ったり(実は何人いらっしゃるかカウントの意味もあったりして)、好評だった吊るしの衣類もずいぶん拡張したり、最後の方では衣類の袋詰め放題均一料金なんて試みもやったりした結果、当日の売上は454,160円となりました。欲を言えばなんとか50万を越えてほしかったけれど、財政難の柿のたねとしてはやはり感謝感謝です。

当日のスタッフの方々は、恒例行事として位置付けていただいて、普段会えない人と会える同窓会みたいなものよ、なんて言っていただくと、ほんとうにうれしくて言葉では言い尽くせないほどの感激でした。

本当にありがとうございました。

昼食の段取りのわるさや、売場の配置の問題、その他いろいろと不手際もありましたがこの反省を糧に次へとつなげていきたいと思います。

毎回バザーを通じて思うことはやはり柿のたねはこれだけ多くのみなさんに支えられているのだなという事を実感します。これからもみなさんの御支援をエネルギーとして活動を続けていきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

(チェリー)

安積遊歩さんと石丸偉丈さんの連続講座
「親の自立・子の自立・パートナーの自立

とても魅力的な方で、人を強烈に引きつけるすてきな遊歩さん。そんな安積遊歩さんとパートナーの石丸偉丈さんの連続講座が現在、おこなわれています。主催はNPO法人目黒障害者自立支援センター・コスモス。介助者派遣や各種講座などをおこなう障害者自身の運営するグループです。

第1回講座は11月17日(月)心身障害者センターあいアイ館で開催されました。安積さんが提唱する再評価カウンセリング(コウ・カウンセリング)のさわりについて語る遊歩さんの言葉はほんとうに心にしみてきます。話を聞く時はにこやかな表情で相手の顔を見て、黙って聞いてくれる。話し手は引き込まれるように自分の思い「からだの声」を話すことができるのです。

連続講座ですが一回ずつの参加も可。参加費は資料代として講座毎500円。詳しいお問い合せについては主催団体NPO法人目黒障害者センター・コスモスまで

プロフィール

安積遊歩さん(本名・安積純子)は1956年、福島県生まれ。生まれてまもなく骨形成不全症と診断されます。20代から障害者運動に参加し、1983年に単身で渡米。アメリカのバークレー自立生活センターで研修を受け、ピア・カウンセリングを日本に紹介し広めました。

1996年に2?才年下のパートナー・石丸偉丈さんとの間に長女・宇宙(うみ)ちゃんが誕生。センセーショナルな話題となりました。

今回の連続講座では「自立センターの代表」として「ピア・カウンセラー」としての立場だけでなく、障害者の妊娠、出産、子育て…。障害をもった子ども(宇宙ちゃん)の親の立場。あらゆる角度からお話をしていただく予定です。

NPO法人目黒障害者センター・コスモス
目黒区八雲1-8-12 TEL&FAX/03-3723-0205

今後の日程