2000年11月の柿のたねニュース

公会堂は今日も雨だった…。2000年秋バザー報告

雨の中買いに来てくださったかた、お手伝いの方ありがとう。

あれだけ(誰に?)頼んでおいたのに、当日は雨。これであきらかに売上は落ちます。目標百万にははるか遠く…。と嘆いていてもしょうがないですね。柿のたね秋の大バザーの報告です。

今回、新たな試みとして、開始時間を10時に、終わりを15時に延長し、前の日にある程度、商品を配置しておきました。この変更、結果から言えば、開始時間を早くすることは成功でしたが、終了時間の延長は大失敗でした。今まで、2時から少しずつ片付けながら、時間延長ということはありましたが、3時にならないと片付けられないというのは、まったく違っていました。おまけに、雨で売れ残りが多く、その上、今回からボロが回収はない! ということで、残った衣類の仕分けが今まで以上に大変、というダブルパンチをくらいました。

また、変更の連絡がうまくいってなかったため、お手伝いの方で、今までどおりの時間だと思っていた方も多かったようです。ごめんなさい。そのため、10時の開始にはまだ売り子の数も少なく…。雨でお客が少なかったため、なんとかしのげましたが…。

企業からの提供も増えました

さて、昨年からお願いしてきた企業からの提供品、今回は「ジョンソンエンドジョンソン・永谷園・明治製菓・サンスター・カネボウフーズ」の5社が提供してくださいました。特に、今回は各社の売れ筋商品が多く、大量に提供していただいたバンドエイド類を除けば、ほとんど完売、特にお菓子・食品類は準備中からどんどん売れました。

企業提供品の売上が全体に占める割合は今のところまだまだ少ないのですが、確実に売れるのが魅力です。今後も恒常的に企業からの提供があれば、それを買うことを目的にして来てくれるお客も出てくることが考えられます。今後も新たな企業にもお願いしていきたいと思います。

なにはともあれ、いつもながら皆さんのご協力で、バザーは無事終わりました。これからもよろしくお願いします。

(さとこ)

金井洋志講演デビュー!? in 第一回たこの木講演会

柿の木ハウスの住人で、無着邦彦さんの主力介助者、そして柿のたねふりま部隊を主宰する金井洋志くんが先日、講演デビューを果しました。本人の意向で自分では書けないということで、講演会を開催した「たこの木クラブ」の通信157号に掲載された記事を転載というかたちで紹介します。

11月11日(土)通信でもお知らせしていたように、知的障害者の自立をテーマとした講演会の第一回が、講師に金井洋志さんをお迎えして、「普通学級で学ぶって何だろう〜自立の前段としての学校生活を考える〜」というタイトルで行われました。約15名程の参加がありました。

講師の金井さんは、お兄さんや、今支援している無着さん達―普通学級で過ごし、その後自立生活を送ってきた方たち―と関わってきた方です。

そしてその関わりを通して、知的障害があっても地域で普通に暮らし、地域の子供達の中で育ってきた人たちには「ずうずうしさ」や神経のず太いところがあり、自己主張が強く生活力がありたくましい、と感じると言われていました。ある日の夜、無着さんは「ご飯いらない!」と早々にふとんに入ってしまったそうです。そして翌日、介助者の金井さんが起きてみると、ひとりでご飯を炊き、しょうゆをかけて食べていた、ということもあったそうです。

一般的には自己主張が強すぎたりずうずうしいというのは、社会生活をする上で、必ずしもいい意味にとられませんが、不利な立場で生活しているハンディを持った人達は黙っていれば、周囲の意見で物事を決められてしまうことが多くなってしまいます。自分の意見を言える環境にあることや本人がそれを知っていることは、とても大切なことだと思いました。

自立生活をすることは自由で楽しいことも多いけど、大変なこともたくさんあります。できないことはあるにしても、基本的には自分で自分のことを守り、何とかしていかなければ、と言う気持ちが必要と感じます。守られ過ぎる環境では、なかなかそんな気持ちも育ちにくいなと思いました。

でも一方で、それはとってもよくわかるけど、目の前の学校生活を考えると、学校で輪に入れなかったり、いじめられたりするんじゃないか、先生はどれくらい手をかけてくれるんだろうか、大勢の子供がいる中で「お客さん」になりはしないだろうか、いわゆる「勉強」は…等々、心配の種はつきず、もし自分の子供だったら、家族だったら…?と考えてしまう自分がいます。

本当は、ハンディがあるから学校をどうするか…と考えるのではなく、そんな心配をせずに、すべての子どもがあたりまえに地域の学校に通えるような環境があれば一番いいと思うのですが、現実はまだまだでしょうか…。

あと4回講演があります。みなさんどうぞ参加してください。そして感想をお聞かせください。

(たこの木クラブ 高橋知子)

11月5日、江ノ島水族館に行ってきました

バザーの翌週の日曜日、天気は快晴。参加者は全部で11名。さてその感想は?

11月初めの日曜日、快晴。江の島水族館に柿のたねのみなさんと行ってきました。小田急線の片瀬江ノ島の駅舎は龍宮城になっていて、まずはそれをバックに記念撮影「ハイ、チーズ」。

私がここを訪れるのは実に30年ぶりの事。よく両親に連れて来てもらったところに今日は小三の娘、佑紀と来ている。ほのかに記憶に残る円形の建物(懐かしい)。今は水族館、マリンランド、海の動物園と三館もあるという。

まずはマリンランドでイルカ・クジラショーを見る。三階にあるパノラマスタンドで見たけれど(昔、そんなのあったっけ?)、どうも距離がありすぎて飛び上った高さや迫力が伝わってこない気がした。ショーのあと、イルカにさわれるというので300円を払いチケットを購入し、佑紀はイルカと握手&エサあげを体験する(まぁせっかく来たのだから、まぁ一度やればもう今後はいいかな、という程度)。昼食をとり、次は海の水族館へ。ゴマちゃんやミナミゾウアザラシなどがのんびりしている勇姿にこちらもの〜んびりと見学し、シートピアステージでのアシカ・オタリアの世界一周旅行のショーを楽しみ、途中アシカに輪投げを観客が投げることができ(このとき見ていたほとんどの子どもが参加したように思う)、もちろん佑紀も投げてきて満足!満足!!(ここではお金をとられなかったことに親は(^v^)ニッコリ。

最後に水族館を見学、2Fはクラゲファンタジーホールとなっていて種々のクラゲが舞うような泳ぎに、時間が許す限り(足の疲れがなければ)見ていたいと思う場所だった。ここで休憩をとっていたが佑紀は「湘南の海が見たい」と言い浜辺まで、そしてとうとうはだしになって海に入ってしまった(あ〜ぁ)

帰路は「江ノ電に乗ってみたい」と言うこれまた佑紀の希望で藤沢まで(古い電車じゃなかったのが少し残念)、ここで私は大好物の大船軒の(しかも特上が有り)押し寿司をゲット。帰宅して食べるのが楽しみで疲れも飛んでしまったような…(チョット、オーバー)。

たっぷりと遊び、とっぷりと日が暮れての帰宅となり、夜はばく睡の佑紀でした。楽しかったネ、そしておいしかったヨ、の一日でした。

(初美)

生まれたての目黒区障害者就労支援センターです。よろしくお願いします!

以前通信で報告した、障害者の一般就労支援(保護就労)を目的とした目黒区障害者就労支援センター(以後センターと略す)がこの10月に正式に発足、去る10月31日(火)守屋教育館に於いて設立式が開催されました。当日は区関係、職安、養護学校、その他様々な関連団体各氏が多数参加していただき、盛会の内に終えることができました。

私も準備会から設立に携わり縁あって理事として留まることになったため、慣れないスーツに身を包み引き締まる思いで当日を過ごしました。

ここに辿り着くには、理事長に就任した須田紀義氏をはじめとした準備委員の方々(ほとんどが理事として残りました)、特に事務局長を引き受けてくださった中田晴男氏の尽力が大きく、感謝しています。

これまで月1度のペースで準備会を進め、なんとかセンターの骨格は定まったものの、しかし詳細についてはまだ積み残されたままになっています。なんといってもまだ生まれたばかりの団体ゆえに、今後の活動の中から少しずつ形作っていくしかないと思いますが、まずは見守り、できれば積極的にみなさんのご支援をお願いしたいと切実に思っています。

このセンターは主に知的障害者の就労を支援し、当面は来年度にスタートする心身障害者センターの日常清掃をおこなう清掃部門と西郷山公園に新設される喫茶・軽食部門(目黒区青葉台2−10−7、完成後はセンターの事務所もそこに置く)の二本柱を主軸に据え、展開していくことになります。

財政的には、目黒区から補助を受ける事務局職員の人件費以外は、清掃の委託費、喫茶・売店部門の売上、賛助会費等で捻出しなければなりません。清掃の委託費は定額なので、如何にして喫茶・売店部門の売上を伸ばすか、より多くの賛助会費を集めるかがポイントとなり、ここをどう解決していくかが現状の大きな鍵となっています。

就労支援の中身については、正直始まらないとなんとも言えない部分ではありますが、単に職業的技能を身に付けるということだけではなく、生活支援も視野に入れて考えていかなければならないと思います。まずは正会員(障害者)が保護就労の場に満足するのではなく、次のステップとして一般就労を目指せるような環境を作り、また就職後安定し、継続するためのケア(ジョブコーチ、職場への定期訪問、就労後の相談窓口や家と職場の往復だけにならないような憩いのための溜まり場など)を整備していかなければなりません。もちろんこれらを初めから一度に準備することは難しいかもしれません。けれど単に就職したらそれでよしとするのではなく、その先の地域での自立生活をも見据えながら進めていかなければ、むしろそのことの方が大切なのではないかと思います。

そして、もっとも取り掛かりやすく、かつ一番難しい問題があります。それは障害者の就労・自立生活の支援について、障害者やその家族、一部の人たちに委ねるということではなく、社会に生きるひとりひとりのテーマとしてどう具体化するかということです。

センターの支援にはいろんな形があります。財政援助としての賛助会員、直接的サポートとしていっしょに関わる援助会員、喫茶・売店部門の常連客になることでもかまいません。必ず何かできることがあるはずです。この際ぜひ考えてみてください。ご支援よろしくお願いします。同様に柿のたねへのご協力もぜひよろしくお願いします。

(櫻原)