ルーテル教会は伝統あるプロテスタント・キリスト教会です

ルターの紋章

この紋章には「薔薇の上に置かれたキリスト教徒の心臓は、十字
架の真下にあるとき脈打つ」という題字が記されています。

黒い十字架がついた赤いハートは死んで甦ったキリストへの信仰、
その周りの白い薔薇はこの世を越えた喜び、慰め、平和を、空色
の地は天の喜びの始まりを表し、それらを囲む金色の輪は永遠に
して高貴な救いを与えられていることを象徴しています。


キリスト教会には、大きく分けて、ローマ・カトリック教会とプロテスタント諸教会があります。私たちの日本福音ルーテル札幌教会はプロテスタント教会に属します。 

マルティン・ルターという人の名前をお聞きになったことがおありでしょう。彼は16世紀の始めに宗教改革をおこないました。その改革の基本は、「聖書のみ、恵みのみ、信仰のみ」という宗教改革のいわゆる三大原理です。お金とか見せかけの努力ではなく、神さまの恵み、イエス・キリストの十字架と復活によってのみ、人は救われるということを強く訴えました。

その声は、ドイツをはじめ全ヨーロッパに伝わりました。しかし、当時のローマ・カトリック教会の大勢はこれを斥け、 「ルターの仲間」と呼ばれ始めたこのグループは、やがて「ルーテル教会」と呼ばれるようになったのです。 その後、この宗教改革運動に続いて各地で新しいグループが生まれ、多くのプロテスタント教会が出来ていきました。特にドイツから北欧にかけて広がり、その後それらの国の人々が新大陸発見とともにアメリカに移住し、アメリカ各地に自分たちのルーテル教会を形成していきました。


マルティン・ルター(1483-1546)

日本のルーテル教会

1893年のイースターに九州の佐賀でアメリカからの2人の宣教師によって初めての礼拝が行われました。日本のルーテル教会はここに始まります。やがて宣教師たちを日本人が助けるようになり、日本福音ルーテル教会という形で、次第に独立した教会となっていきました。 

1909年、牧師養成のための神学校を設立し、以来、幼稚園・中学・高校・大学などの教育分野で、また社会福祉の働きでも多くの点で開拓者的な働きを示してきました。 

1941年、時の政府の圧力で日本のプロテスタント教会が合同することとなり、日本キリスト教団に参加しましたが、戦後1947年教団を離脱し日本福音ルーテル教会として再出発しました。戦後の宣教を開始したその他のルーテル諸派と合同し、1963年新しい日本福音ルーテル教会を組織して現在に至っています。

北海道から九州まで、全国に138の教会と、学校、幼稚園、老人ホームなどの施設をもってキリストの福音を証ししています。また、大学に社会福祉学科を持ち、社会での奉仕者を数多く送り出しています。


北海道のルーテル教会

北海道のルーテル教会は1916年、フィンランドの宣教師と若い日本の牧師によって始まりました。1934年、現在地・札幌市中央区南12条西12丁目に教会が建てられ、1937年に教会に隣接してめばえ幼稚園が建てられました。 教会は90年を迎えて地域の人々共に時代を見つめ、キリストの福音の恵みを分かち合ってきました。

幼稚園は60年を越えるキリスト教保育を通し卒園児は4000人を数え、次々に社会の第一線で活躍しています。 

第二次世界大戦後、札幌北・函館・池田の地に教会が建てられ、次いで釧路・帯広・新札幌・恵み野の地に教会が建てられ、共にキリストの福音の恵みを伝える礼拝が守られています。

また、私たちの兄弟教会である日本ルーテル教団では、1947年、旭川の伝道に始まり、札幌・小樽・滝川・深川・北見・後志に教会が建てられ、協力して教会活動が続けられています。 私たちは広大な北海道における開拓の厳しい歴史と痛みの中で、先駆者たちが果たしてきた役割をふまえ、神さまの導きに信頼しつつ、喜びと感謝をもって歩んでいます。


北 海 道 教 区

北海道教区が発足したのは1981年のことです。それまでは東信北部会(東京・信州・北海道地区)時代、東教区  (関東・東北・北海道地区)時代を経て成長し、函館から釧路まで8つの教会が建てられ、1981年、教区としての歩みが始まりました。 

現在、道南地区(函館)・道央地区(札幌北・新札幌・恵み野・札幌)・道東地区(釧路・帯広・池田)の3地区を構成しています。 

日本福音ルーテル教会には、現在、九州教区(九州一円)・西教区(山口県から京阪神まで)・東海教区(愛知、静岡)・東教区(関東地区以北)と、北海道特別教区の5つの教区があります。

各教区の生い立ちも成長過程も伝統領域も一様ではありません。 その中で私たちは一番若い教区です。そして広大な北海道の伝道を託されています。

開拓の厳しい歴史の中でキリスト者が果たしてきた役割をふまえ、多くのキリスト教会と協力しつつ、感謝のうちに教会の働きをすすめています。

 

教義

旧新約聖書が信仰と行為の唯一明確なる規範たることを主張し、信条として使徒信条、ニケア信条、アタナシオ信条、アウグスブルク信仰告白、同弁証論、大・小教理問答、シェマルカルド信条、和協信条を採用します。  

ルーテル教会は信仰の本質において一致すれば、その他の礼拝形式や教会制度・組織の一致を必ずしも求めませんが、礼拝における信仰生活の育成と、そこにおける神のみ言葉の重要性を強調するために一定の礼拝式を共用します。

また、信仰教育を重んじ、特に小教理問答を通して信仰と生活の訓練を図ることを伝統的に受け継いでいます