「献金と教会の収益事業」

 教会が信仰の上にのみ成り立つべきであることは言うまでもないことです。このことは、教会の財政においては、教会の活動に関わるすべての経費が、信仰に基づいた収入によって賄われなければならないことを意味しています。ここでいう信仰に基づいた収入とは、唯一、信仰によって献げられる献金のみであり、その他にはありません。

 わが教会の収入が、献金の外に収益事業に依存している事実については、これは緊急避難的措置であり、将来においては解消すべきものとして位置付けられています。

「本教会の財政施策においては、献金収入を基本とし、収益事業による収入は、あくまでも副次的、補完的なものとして位置付けられ、その割合は20%を限度とすることが目指されており、この方策は今後も堅持されるべきものである。かつまた、将来においては、収益事業による補完は必要としないまでの教会成長が、目指されるべきである」(第15期第2回常議員会議事録)とある通りです。

 我が教会の財政を論じるとき、最も緊要な課題は、教会が行っている収益事業について、これが緊急避難的措置であり、将来においては解消すべきものであるとの認識を如何に浸透させるかです。すなわち、我が教会が信仰を土台とする他に、信仰とは関係のないこの世の経済動向に支配される収益事業をもう一つの土台としていることは、我が教会が神様の恵み以外のものにも依存していることであり、これは教会のあるべき姿ではないことを、我々日本福音ルーテル教会は明確に認識しなければなりません。この認識をもつことは、我々の教会の等身大以上の身構えに気付くことであり、これによって現在の教会活動を健全に継続して行くためには、さらなる献金がなされなければならないとの必要な認識が、初めて得られる訳です。

 収益事業を終結させる時期を、今すぐに将来のこの時期と特定することはできません。収益事業を終結に至らせることができる特別な方策というものがある訳ではありません。収益事業の終結は、献金によって教会の全ての財政が賄えるようになることによって自然と起ることだからです。必要なことは、収益事業の終結が30年先のことであれ、50年先のことであれ、100年先のことであれ、将来は終結させるべきものなのだという認識を、今、この時点でもつことです。