西ガリラヤの高い丘に登るとおよそ10キロメートル離れた地中海が見えます。この丘には古い城の遺跡があり、その回りの木陰にイエヒアムというキブツ村の家が隠されています。私はこの村に一冬を過ごしました。そ毎日のようにここに登り、この光景を眺めてイエス様の地上の歩みを考えました。イエス様は、活躍していたカファルナウムから海岸のティルスとシドンの地方に行かれた話しが、マタイによる福音書の15章にあります。イエス様は、夏の暑い日差しを逃れて涼しい木陰に歩まれた道はこの周辺を通っていたでしょうか。
丘の上の城は、十字軍の時代に建てられ、後アラブ人に支配された時代には上にモスクが建てられました。きれいなアーチがその時代の遺跡です。キブツの開拓者たちが一年目の冬、城の中にテントを建てて住み、寒さや病気と戦った話しを年配の住民に聞かされました。春になると、丘に生えているアーモンドの木が一斉に咲き始めます。神様が、新しい命を与えてくださることを語っています。開拓者たちがユダヤ人の迫害を逃れてイスラエルに渡り、この丘を「イエヒアム」(=民が生きるように)と名づけました。
私が住んでいる家の前にもアーモンドの花が咲いていました。アーモンドのへブル語の名前は神様の守りと見張りに由来しています。神様が預言者エレミヤを招聘した時、アーモンドの花をその守りのしるしとして挙げてくださいました。
「主の言葉がわたしに臨んだ。『エレミヤよ、何が見えるか。』わたしは答えた。『アーモンド(シャーケード)の枝が見えます。』主はわたしに言われた。『あなたの見えるとおりだ。わたしは、わたしの言葉を成し遂げようと見張っている(ショーケード)。』」(エレミヤ書1:11-12)
神様はご自分の言葉を守り、ご自分を信じる民に命を与えてくださることを、アーモンドの花が語ってくれました。(V.ソベリ)