某所にて。碧さんに紹介されてしまった赤ちゃん倶楽部のClose2Uを買ってしまう。「世界初小学生恋愛シミュレーション」らしい。でもよく見ると「シュミレーション」らしい。果てしなく妖しい。しかし誰も買わなかった場合、この人たちはもう「世界初」を突き進むことを止めてしまうかも知れない。これ自体が面白いか面白くないかではなく、人類の歴史における大きな一歩のために買った。
そして最初のまなちゃメンバー集結の時。一介のキサキチさん兄妹、ぽんさん、しあんさん、Viewさん、わし集合。抜けていたらすまんです。キサキチさんのかばんから水色のCDのジャケットが出てくる。この見覚えのある色彩。あたくしも魔法の段ボール箱からCDを取り出す。紛れもなく同じものであった。しかもキサキチさんは碧さん用に確保した、とかで2枚も持ってらっしゃる。ほのかにのりぽんさんの手にも同じCDが握られており。随分とさいさきのいい人類の大きな一歩になってしまった。
2時間後。2回目の集合でどどさん登場。どどさんもClose2Uを買われたのだった。またも妖しいCDを見せ合う集団。そして碧さん登場。当然買っているだろうと思いきや「2千円は高いよ」というそっけない返事。有罪。「これは人類にとって大きな一歩なんですっ」とか「絵がどうとか、音はどうとか言うのはこっちに置いておきましょう。小学生なんですよ?」だとか「買いましょうよー。小学生ですよー」だとかひたすらわしは真顔で説得する。その後買われたかどうかは現在不明。
「こんなに買った人がいたなんて。やっぱ碧さんの紹介が効いたんですよ」と最後に碧さんに言い残す。碧さんは薄くて高い本の宴が待っているようである。碧さんを置いてあたくしたちは旅立つのであった。時間がそんなにないってことで、飲み会はなしでカラオケ大会ってことになる。しあんさんが場所を取ってくださる。すまないねえ。
どどさんと本屋さん探索で時間をつぶした後再び集合。カラオケ大会にれっつらごーとなる。
歌の宴開始。おなかが空いてしょうがないので食べ物をがしがし頼む。酒もソフトドリンクもがしがし頼む。途中でwithさん登場。スーツな社会人になってしまわれていた。早速一介の妹君に化粧をされるのであった。わしの曲はなんだかいつも通り。今回はホネホネロックがあったので久しぶりに叫ぶ。withさんいじりに夢中の妹君を少し振り向かせる。ぽんさんはいい声をしていた。うらやましきことかな。
あとで聞いた話ではキューティーハニーの「かわるわよん」の印象が強かったとのこと。妹の君の夢にお邪魔するほど強い印象だったらしい。
3時間謎な選曲が飛び交った歌の宴終了。しあんさんはなんだか片桐さんのような髪型になっている。Viewさんは緑のアイシャドーが入っている。そしてwithさんも化粧されてしまっているのだがなんだか自然である。うむむ。そして解散となる。横断歩道を渡ろうとしたとき、一介の妹君が追っかけてきた。マルチなラミカを頂く。
そんなわけで。まなちゃオフは局所的なClose2U大ブレイクという幕開けである。
某友人宅到着。なんだか豪華な食事を作ってくれる。ときめいた食器で食べる。
ここに泊まるには絵を置いていかないといけない掟らしい。とりあへずGペンでカード収集家のさくらさんを練習のつもりで描く。二時間後寝る。
途中ばっさり省略。
りりさんに会いに行く。目の前に2人の人がいらっしゃる。2人のうちのどちらかがりりさんらしかった。どちらか分からないのでなんとなく話しかけにくい。
あ | すいません。木野さんはいらっしゃってますか。 |
? | 木野さんならこっち。 |
あ | どうも。*方から来ました。あずまです。 |
り | おお。来たか。 |
あ | おお。来たぞ。来いって言われたから来ました。 |
り | それだけか。 |
あ | それだけじゃないけど。 |
り | その箱はおみやげか。 |
あ | そう。わたしへのおみやげです。わたしへの。 |
り | そうか。 |
あ | しばらくチャットに来られてなかったから、本当に来ていいのかなと思ったんですがね。なんか何日か前に来てらしたんで。来ていいのかなと。 |
り | ああ。あそこに行ってるとね、電話代が一万越えるんだ。 |
あ | じゃあ、もうチャットには来られないんですか。 |
り | え? |
あ | もう、チャットには来られないんですか。 |
り | 金が掛かってしょうがないからな。……じゃ。これを持ってけ。 |
あ | え。あ。いいんですか。 |
り | これも持ってけ。 |
あ | あ。ありがとうございます。 |
り | 今回のは大したことないけどな。 |
あ | あ、どうも。また来ます。 |
そのままもうお会いすることはなかったのであった。りりさんはチャットでの口調とそこでの会話での口調がおんなじであった。これは新鮮。
この日も友人宅にやっかいになる。オリジナルの絵を置いて行かねばならぬ掟らしいので、ぷにぷにした娘(4歳)二人が喧嘩している絵を描いて寝る。友人から4,000円を借金して寝る。
目覚まし時計に起こされる。友人を起こさないようにしてシャワーを浴びる。目覚めてしまった友人に挨拶して旅立つ。
のりぽんさんあずまの一行はカレーの国の方に行ってくれる電車に乗る。ぽんさんの妖しい本をいくつか見せて頂く。普段電車の中で漫画なんぞ恥ずかしくて読まないのだが、妖しい本ならもはや恥ずかしくないとはこれいかに。本の内容は至って健全であった。
電車を乗り換え。途中で派手なデザインの制服の女子高校生を見かける。もしやこれはコスプレなのか、とか思ってしまうあたりが世も末というか職業病というかなんというか。車中でひたすらのりぽんさんの深い部分に迫る。
あ | 本当の所は、いちばん好きなのは誰なんですか。二次元三次元問わずで。 |
ぽ | 二次元三次元問わずですか…。そりゃあ館林さんですよ。 |
あ | ああ。やはりみはりんは譲れませんか。 |
ぽ | 譲れない、というよりみはりんだけは変わらないというか。ほら、他のキャラだったらそのゲームをやっている間は好きになっても、それだけなんですよ。 |
あ | そういうのってありますね。一時的な浮気というか。わたしが言うのもアレですが。 |
ぽ | ずっとあなたのことを見ていた。こんなのに憧れるんですよ。 |
あ | ああ。一目惚れを信じますってなわけですな。でもみはりんってばゲームの中ではあまり扱いがよくないですよね。 |
ぽ | いやー。まあ、そこが想像力をかき立てるんですよ。 |
あ | 本もたくさん出てますしね。 |
ぽ | ところでもうチェックされましたか。ポカリスエットのCM。 |
あ | う。後藤理沙ちゃんですな。早く見んといかんなあと思いつつなかなか遭遇せんのです。 |
ぽ | 雑誌を立ち読みしていてグラビアが目に止まりまして。思わず買っちゃいましたよ。普段買わない雑誌なのに。 |
あ | すごいめぐりあわせですな。どこいら辺に惹かれましたか。 |
ぽ | グラビアって言うとセクシー関係が多いじゃないですか。ところが。丈の長い服が多くてね。 |
あ | 露出が多いと駄目ですか。 |
ぽ | 清純がいいのですっ。 |
あ | せ、清純ですか。これは難しいですな。 |
ぽ | 有名になる一歩手前。ていうところもいいんです。あたしもあまのじゃくですから有名になったりしたらちょっと引いてしまうんですよ。 |
あ | ああ。タレントはきれいで当たり前てなフィルターがかかりますしね。 |
ぽ | 15歳ですしね。 |
あ | じゅ、じゅうごさい、ですか。やはり有名になった頃には歳を取ってしまいますわな。歳を取ったら取ったでまたフィルターが……ってなんでもないです。はい。 |
ぽ | 最近清純な人が少なくて。 |
あ | 以前はいたのですか。清純な人。 |
ぽ | いや、どうでしょう。なんとなく。 |
あ | では館林さんは清純ですか。 |
ぽ | 清純です。もう間違いなく。 |
あ | せ、清純だったですか。覚えときます。……てな質問をちょこさんにするつもりです。 |
ぽ | あ、あはは。 |
あ | この道の入り口はなんでしたか。 |
ぽ | 入り口、ですか。気がついたときにはアニメなんかを観てるのは自分だけになっているという。それに最初に気付いたのは「ワタル」のときでしたね。 |
あ | ははあ。魔神英雄伝ですか。ありましたなあ。あたしは観てなかったですが。 |
ぽ | パターンはいっちゃんとか久遠さんとかと似てると思うんです。だんだんそういう話ができる相手が減っていって。自然に今のようになったというか。あずまさんなんかは変わってますよね。 |
あ | 変わってる、のかなあ。高校に入ってからですわ。わたしは。 |
ぽ | では、セーラームーンにはまるきっかけは。 |
あ | うーんと。高校3年のときにね。某友人が二人してこそこそ話をしてるんですよ。どうも人に言えないようなものを観ているらしい、と。こうなったらどんなものかと観てやって、こいつらの前で冷やかしてやろうと思いまして。こんな不純な動機からですね。観たのは。で、観たらばどてっとこけまして。あまりのこっ恥ずかしさに。で、そのまま抜けらねなくなりまして。 |
ぽ | あはは。 |
あ | まあ、もともと変でしたから。もっと前から恥ずかしいのが好きでしてね。小学生の頃に教育テレビの面白さに気付いていたような奴でしたし。 |
あ | 少女漫画の入り口ってのはどんなもんでしたか。 |
ぽ | 妹がいますからね、まあ、ちょくちょくと読めるわけですよ。自分からってのは、そば屋さんに行ったときに手に取った雑誌ですね。「ジャンプ」とかあればそれを取るんだろうけど、少女漫画しかなくて。 |
あ | それは何だったんですか。 |
ぽ | 「花とゆめ」です。 |
あ | ほほう。 |
ぽ | で、そこで読んだ漫画で面白いなーってのがあって、単行本捜したりしましてね。そんなに捜したわけじゃないんで、半年ぐらい経って買ったりして。 |
あ | ほう。そば屋さんでですか。すごい出会いだったんですね。わたしは、まあ、セーラームーンのために買った「なかよし」ですわ。生まれて最初に買った少女漫画でちびうさに出合ってしまいまして。 |
あ | 「なかよし」でちびうさにどてっと転びまして。とんがってるのがいいんですよ。強くないのに強がって。 |
ぽ | それ以前は誰が好きだったんですか。 |
あ | レイちゃんです。 |
ぽ | な、なるほど。 |
あ | この頃はいろいろありましたよ。卒業式の前日に例の玩具を持って、黒板の前で「むーんひーりんぐぅえっすかれいしょん」をやりまして。 |
ぽ | え。これはなかなかできませんよ。 |
あ | まあ、白い目で見られたかも知れませんが、卒業の前に一度やってみたくて。そういうキャラクターじゃなかったんですけど、まあ、いいんですよ。どうせ卒業しちゃうんだから。 |
ぽ | は、はあ。 |
あ | で、ちびうさが早くアニメに出ないかなーと。Rはそんなに面白くはなかったんですけどね。それでも思い出の一品というか。 |
ぽ | やっぱスーパーズですか。 |
あ | ま、まあ。あまり評判はよくないですが、これもまた思い出の一品なわけでして。 |
電車の中で突如現れたのである。ちょこさんが。カレーの国駅の2つだか3つだか前の駅がちょこさんちの最寄り駅であるらしい。カレーの国駅に集合という話であったが一足早い集合となった。
ぽ | あ。 |
あ | お。 |
ぽ | うわー。1年ぶりですね。 |
ち | お久しぶりですー。 |
あ | えーと。半年ぶりですね。 |
ち | ちょっとでも早くお会いしようと思って、同じ電車に乗ってみました。 |
ぽ | ああ。おうちはカレーの国(仮称)駅ではないのですね。 |
ち | ええ。ここから近くなんです。カレーの国へはあと…駅(聞こえなかった)です。 |
あ | よいしょっと。 |
ち | え。 |
あ | あ、あれ。まだカレーの国じゃなかったんですか。あらま。これだから迷子になるんですよ。 |
ぽ | ここって海から近いんですね。泳ぎに行ったりするんですか。 |
ち | 行かないですね。自転車でそばを通るだけで。 |
あ | じゃ、ぽんさんと同じですね。近くが海だとかえって泳ぎに行かないものなんですか。 |
ぽ | わざわざ日焼けしに行くのもねえ。 |
ち | うちから近いんですよ。ハワイアンセンター。 |
あ | え。あのハワイアンセンターですか。 |
ち | ええ。自治会のイベントで行きたくもないのに行かされて。 |
あ | ほええ。あ、あの。ハワイアンセンターってどれぐらいハワイアンなんですかっ。 |
ぽ | ぷっ。 |
ち | ははは。えーとね。流れるプールがある程度ですね。 |
あ | え、えええっ。おみやげが随分ハワイアンだという情報を入手していますがっ。 |
ち | ああ。あとフラダンサーもいますね。 |
あ | ふ、フラダンサーですか。フラダンサー。ふらだんさー、か……。 |
カレーの国駅に到着。カレーの国だ。たくさんある線路もそこで発車を待つ電車もカレーの国のものだ。階段を昇って降りて駅の外に出る。ここはカレーの国だ。見た目は枚方の駅とたいして変わらないありがちな地方都市だけれど、ここはカレーの国だ。てなわけで記念撮影。箱を肩に担いだわしとちょこさんが写真に収まる。
バスに乗ってカレーの国の大学に着く。わしはカレーの国の定義がよく分かっていなかった。大学を指すこともあればこのF県全体を指すこともあるという。わしは大学のことをカレーの国というのだと思っていたので、カレーの国の門突破の瞬間は感慨深かった。査証もパスポートもなく突破してしまった。
カレーの国の比類なき国営食堂に到着。暑い。外は前日の雨のおかげのようでとても涼しいのだが、食堂は暑い。これは暖房が入っているに違いない。それぐらい暑い。窓の多い構造だからなのだろうが、我慢できないので窓際に席を取って、窓を開けた。そしてあずまは念願のカツカレー大盛りを注文。ぽんさんはカレー大盛り。ちょこさんはカツカレー大盛りであった。
ち | カレーの国の景色を見て行って下さい。山しかありませんけど。 |
あ | わたしは。この光景を忘れませんとも。このすごい形の建物も決して忘れませんとも。 |
ぽ | では、カレーの食べ始めを撮影ということで。 |
とんでもなく量の多いカレーを黙々と食べた。カレーがなかなか減らない。しかし味はうまいのである。超学食級にうまいのである。わしとしてはもっと辛い方がいいのだが、その点を除けば前日に食べたCoCo壱番屋のカレーよりもうまいと思う。あのおばちゃんたちの手によってカレーの味は日々守られているのである。カレーの国に栄光あれ。
ぽ | ちょこさんは卒業とかは大丈夫なんですか。 |
ち | え、ええ。たぶん、このまま行けば大丈夫らしいです。 |
ぽ | 大丈夫ですって。 |
あ | ぽんさんが言うんだから絶対大丈夫ですよ。もう絶対。 |
ぽ | あ、あはは。 |
あ | ちょこさんて学科は何なんですか。 |
ち | 電子、です。 |
あ | 電子って電子工学ですか。 |
ち | はい。 |
あ | 工学部電子工学科ですか。 |
ち | はい。 |
あ | ああ。じゃあわたしの大学(の学部)の時と同じですわ。 |
ぽ | ほう。意外な共通点が。 |
ち | ええ、まあ。 |
あ | ……といってもねえ。だからと言って別に超伝導の話でもしましょうか、とかそんなことは言いませんけど。 |
ち | うっ。 |
あ | ああそうだ。来年になったら研究室の機械が使えるんじゃないですか。研究室はいいですよー。 |
食器を片付けるとき、スプーンを入れるかごの素晴らしい様子に気付いた。スプーンはここへ入れよと言う説明書きがあるのだが、スプーンの表記が「スープン」になっているのだ。この説明書きはかなり古いものらしく、しかも書き直された跡もある。カレーの国に栄光あれ。
この時期は使えないと分かっていたのだが、端末室に向かう。やはし使えない。予備の端末室に向かう。わしは用足しをしていたのでその現場を見ていないのだが、ちょこさんがあらかじめ鍵を開けていた窓から侵入し、扉の鍵を中から開けた。そして端末室に扉から堂々と入ってしまう3人。 液晶モニター装備の新しいPCが50台ほどずらりと並ぶ。おそるおそる電源を入れる。入ったばかりの機械なのでユーザー名や所属を聞いてくる。てけとーに入れる。そして、Windows95のシリアル番号を聞いてきたところでそれ以上の使用は無理と知る。設定をすべてキャンセルして電源を切る。
空き教室に陣取りカレーの国裁判を始める。ちょこ被告人のいちばん好きなキャラを問いつめることにする。
あ | ではちょこさん。実際のところはどうなんですか。いちばん好きなのは誰なんですか。 |
ち | え、いちばん、と言われても……。 |
あ | レイアースでは光ちゃんと風ちゃんが好きで、どちらが好きかはその日によって変わるという情報をわれわれの調査機関が入手しています。どっちですか。 |
ち | え、ええっと。最近海ちゃんもいいことがあって……。 |
あ | なんですと。ちょこさんは3人ともが好き、と。 |
あ | どういうところがお好きなんですか。 |
ち | それは、そのときに観た話のエピソードにもよりますし。 |
あ | む、むむ。 |
ぽ | あずまさんはとんがったのがいいらしいですよ。 |
あ | ええ。強くないのに強がって……。ま、まあ。それはそれとして。じゃあ質問を替えまして。レイアースへの入り口はなんですか。 |
ち | 原作ですね。本屋で単行本の表紙を見まして、この絵はいいなと。 |
あ | ほほう。ではそのままアニメになだれ込んだと。 |
ち | ええまあ。もう時効だから言いますけど、高校の時にレイアースの特番があったんですけどね。これが昼の1時で。 |
あ | え。昼間にやってたんですか。 |
ち | ええ。それを観るために、学校を、さぼったりして……。 |
あ | そ、そこまでにレイアースのことを。 |
あ | ほんっとにいちばん好きな娘は決められないんですかっ。 |
ぽ | いやー。決められないのか分からないのか。 |
ち | うーん。ひざパでは最初はレナでクリアしたんですが、二回目はミミで、三回目はユキで。そのあとミミに移ったんですが、なんか三人とも好きになったみたいで。 |
あ | ……うーん。有罪。では一つだけ。ひざパは面白いですか。 |
ち | 面白いです。やってみてください。 |
カレーの国探訪の旅で唯一のんびりできる時間が過ぎた。がっこを出る。バスに乗ってカラオケ屋に向かう。
あ | ちょこさんは、例の私見を書くのに果てしなく時間がかかるそうですね。 |
ち | 夜中に書き始めて、明け方までかかることもありますね。 |
あ | 10時とか12時とかに書き始めて、ですか。 |
ち | ええ。 |
あ | うう。すごい。わたしはだいたい三日に一回、三日分のログに対して二時間ぐらいですわ。で、書くときに最も気を付けることは何ですか。 |
ち | そうですね。面白くなるように、ですね。あと…(失念) |
あ | むむう。わたしはその場の勢いだけで書いてしまうので。 |
ち | あれは緻密に計算されているのかと。 |
あ | 勢いだけですよ。ネタリストを眺めて少しでも心の琴線に触れるものがあったら、コピーしてペーストして、この五秒ぐらいの間に起承転結をがちゃがちゃっと考えて書くんですよ。そこでつまらなかったら消して。 |
ち | 五秒ですか。 |
あ | で、あとで読んでつまらないのがあったらまた消して。そんな風になってます。 |
ち | 厳選されてるんですね。 |
あ | ええまあ。投稿した人には悪いんですが、あとになって書き換えたり消したり。 |
ち | ああ。古いの見たら変わってることが。 |
あ | あとで見たらわけが分からないのって結構あるんですよ。 |
ち | わたしは書き始めたらその日の対話のログを端から端まで書かないと終われないんです。 |
あ | それって、六百行のログのファイルが三日で切れようと一日で切れようと一度に一本ですか。 |
ち | そうです。 |
あ | その場合、そうしょっちゅう書くわけではないですから、見ないログができてしまうでしょう。それは放ったらかしですか。 |
ち | そうです。書きたいと思ったその時のログだけです。古いのも補間しとこうかな、とか思いはするんですが書きたいと思ったときでないと。 |
あ | んー。確かにチャットの流れとネタ投稿とが切り離せないときもありますからね。わたしもチャットのログを見てはいますけど、相当面白くないとそういうのは採用しませんね。 |
カラオケ屋さん到着。いきなり会員証を作らされる。会員じゃないと入れないんだそうである。ここで地元のちょこさんではなく遠くからの来訪者が会員証を作ってしまう。身分証明になるものをちょこさんが持ってらっしゃらなかったので、ぽんさんが会員証を作ることに。一時間歌うための会員証である。 例によって例のごとくな歌の宴が一時間。オレンジジュースがおいしくない。わしはこの一時間をかなり気合いを入れて過ごす。で、ちょこさんが代金を払うとおっしゃる。それでは悪いので二人は飲み物代金だけは持つことにしたのだった。
バスで移動。カレーの国駅へ向かう。そのあと電車で泉という駅へ。ここで話した内容をあまり覚えていない。
あ | のりぽんさんとこに「ごはさめ学園ねたしけん部」ってあるじゃないですか。「ねたしけん部」ってどんなことしてるんですか。 |
ぽ | 私見を書くことですわ。原稿を書いて編集して。 |
あ | では、ネタリストはどこからやってくるのでしょう。 |
ぽ | 新聞があって、ちゃんと届けられるんですよ。 |
あ | し、新聞があるんですか。株式のように載ってるんですか。 |
ぽ | ま、まあ。そこらへんはいろいろと。 |
あ | ねたしけん部ってどこの高校にもあるんですか。 |
ぽ | うーん。ない……んじゃないかなあ。 |
あ | ああ。では全国ねたしけん選手権大会に出場、とかそういうもんではないんですね。あ、そうだ。桃薔薇さんとか水狐さんとかはアニメなんかのそっち方面に詳しいんですよね。 |
ぽ | ええ。 |
あ | で、エリスさんも詳しかったりするんですよね。 |
ぽ | ねたしけん部の部員はみんなそこそこ詳しいですから。 |
あ | ああ。そうなんですか。そうなってくるとキャラを立たせようとするならもったいないかなーとか。 |
ぽ | ええ、まあ。弧太郎やあたしはいつもやられ役ですわ。 |
あ | エリスって何の先生なんですか。 |
ぽ | 国語です。 |
あ | あ、そうか。だからねたしけん部の顧問なのか。なるほどねえ。鞭を持つ国語教員。あ。そうだ。めいみちゃんのねこみみは本物ですか。 |
ぽ | 本物です。 |
あ | しっぽは本物ですか。 |
ぽ | 本物です。 |
あ | で、では。耳は4つあるんですか。 |
ぽ | 4つあります。 |
あ | よ、4つなんですか……。 |
ぽ | めいみちゃんはね、記憶喪失になったところを拾われたんです。で、行方不明の兄を捜していて……。 |
あ | 前の設定の時からですね。お兄さんなかなか見つからないんですね。 |
ここからちょこさんちに向かって歩く。ちょこさんは自転車を押して歩く。自転車のかごにわしの荷物の箱が収まる。
あ | ちょこさんはなぜ108のハンドルなのですか。 |
ち | 「はじめまして」の感動を忘れられないからですね。まあ、すぐにばれてしまうことも多いのですけどね。 |
あ | 「なんでも」への入り口はなんでしたか。ボタンですか。 |
ち | ボタンじゃないです。前からこんなのがあったらなあというアイデアがあって、「なんでもランキング」はまさにそれだと思いまして。それからチャットに入りました。で、知らずに半角カナを使ってしまったら字が化けてしまって。顰蹙ものでした。 |
あ | え。あの「爾爾爾」ですか。 |
ち | はい。 |
あ | なんと数奇な運命。わたしはボタンからでしたね。で、例のチャットに入って[rank]でちゃちゃを入れてたらそのうち怒られまして。で、対話に出だしたんです。 |
ち | 最初はいたずらだったですか。……ここから坂ですよ。 |
ぽ | うわー。これ、登るんですか。 |
あ | ……これって。競輪選手でも練習に来そうなぐらいの坂ですよ? |
ち | ああ。走ってますよ。たまに。 |
あ | ここ通学路なんですか。この葉っぱで子供は腕を切ったりしますよ。きっと。 |
ち | あそこがね、小学校なんです。見えませんね。……ここで曲がります。 |
ぽ | ま、またですか。 |
ち | また坂ですー。 |
あ | ここが小学校なのか。あら。今度は下り坂ですか。 |
ち | そこで曲がります。 |
ぽ | こ、これは。 |
ち | この先です。 |
あ | ……これって。このどこまで続くか分からない道を前にすると、家出少年の気持ちが分かりますね。なんとなく。 |
ぽ | あはは。 |
ち | 野うさぎとか出るんですよ。ここ。 |
あ | う、うさぎさんが出るですか。すごい。うさぎ、うさぎ……。 |
ち | 狩りますか。 |
あ | うさぎさんを狩るだなんて……な、なんでもないです。これすごいですよ。日本にかような大草原が存在していたとは。 |
ち | すごいでしょ。 |
あ | さっき自転車で五分っておっしゃってましたけど、ほんとに五分で着くんですか。 |
ぽ | いやー。無理でしょう。 |
ち | この豪天号で飛ばせば五分です。 |
あ | ごうてんごう、ですか。 |
ち | わたしも意味なんか分かってなかったんですが、友達が言ってたので豪天号と名付けてみました。 |
あ | おお。これは。 |
ち | 廃虚ですわ。 |
あ | これまたヘヴィーな家ですなあ。 |
ち | そこを左です。 |
そんな会話を続けながら大草原を歩き続ける。舗装されていない道の果てに家の並びを見る。ちょこさんの家はその中にあった。玄関で記念撮影。そしてついに。カレーの国総統の家に入る。
ちょこさんの家に入る。あたくしの狭い家とは大違いだ。玄関からして広い。ちょこさんの部屋に侵入する。雑誌が話に違わぬ高層建築をなしている。どこを見ても妖しさは隠せない。まるでわしの部屋のようであった。
さて。わしは作戦を実行せねばならない。人の視線を窓の外に向けさせようとした場合、「あ。飛行機だ」と叫べばそちらを向いてくれるだろうか。事態を理解してくれなかった場合、それはもう悲惨なことになる。だからわしは別の手を使うことにした。
あ | 前から考えていたことがあるんですよ。 |
ち | はい。 |
あ | わたしがね、「あ。飛行機だ」って言ってちょこさんがむこうを向いている間に、わたしがこの雑誌の塔のいちばん上に妖しい本を載っけてしまおうかな、とか考えていたんです。 |
ち | はあ。 |
あ | あ。飛行機だ。 |
ちゃんとちょこさんは窓の方を向いてくれる。作戦通り。かくしてぽぷりちゃんの妖しい本が雑誌の塔の頂上に置かれる。ちょこさんはすぐに本の存在に気付き、手に取る。
ち | これ、なんですか。 |
あ | ぽぷりちゃんの本を買ってしまいまして。おみやげです。 |
ち | う、うわあ。見えちゃってますよ。 |
あ | 見えちゃってますね。……うっかり痛いのを買っちゃいまして。 |
ち | これ、誰ですか。 |
あ | 先生という設定ですわ。 |
ち | う、うわああ。 |
あ | 痛いの熱いのは駄目だって言っときながら、ついうっかり。 |
ち | 痛い痛いって言ってますよ……。 |
あ | ま、まあ。そういうこともありまさあ。 |
ち | この話、ぽぷりちゃんじゃなくてもいいような気が。 |
あ | ……でね、ぽぷりちゃんの魔法は全部心の病が見せた幻覚だった、と。まあ、そういう話だったんですな。 |
ち | もらっちゃっていいんですか。 |
あ | やっぱりだめです。 |
ぽんさんとちょこさんの部屋を捜索する。グッズがすごい。ぽんさんはどこからともなく見つけてきたポスターを壁に貼ろうとする。わしはレイアースの光ちゃんと風ちゃんのぬいぐるみを発見したので、机に置いてみる。さんざん机を派手にして記念撮影する。
ちょこさんちの方々はわしとぽんさんは泊まっていくと思っていらっしゃったらしい。折角の好意に対して実に申し訳ないが夕方に帰ると申し上げる。父上は泊まって行くんなら今晩あたり酒でも飲もうと思ってたんだけどとおっしゃる。母上も遠くから来たんだから泊まって行きなさいとおっしゃる。うう。変な計画立ててしまって疲れるやら申し訳ないやら。
で、ちょこさんの「カレーの国から'98」に乱入する。3人でネタ投稿を吟味してコメントを付ける。これがなかなか進まない。ネタの考察のためにClose2Uをインストールしようとしたのだが失敗する。これで貴重な時間を失ってしまうが、向かい側のキッチンに母上がいらっしゃる状態でこんなことをするというのがなんともスリリングでこの上なく楽しいのであった。
史上初の試みは賑やかで楽しいものになったが、時間が全然足りなかったので成功とは言えないものになった。ネタを10個は取り上げたい。3時間は必要か。
不意に母上に寿司をご馳走になる。いやはや恐縮。時折席を立ってキーボードを打ちに行く行儀の悪い人たち。久しぶりに食べたまともな、いや高級な食事は滅茶苦茶うまかった。しかし時間がなく全部食べられない。寿司をほうばる最中に旅立ちの時間がきた。
旅立ちのとき。母上に漬け物のお土産までいただきこれまた恐縮。母上に車で駅まで送っていただく。あの道のりを5分で走り抜ける。あの暗い道に放り出されたらほぼ間違いなく遭難するだろう。人類の科学技術に乾杯。駅員さんに一行の写真を取ってもらう。三人全員が写る唯一の写真となった。
電車が来たので別れる。さらばカレーの国。で、さっそくぽんさんの本を読み始めるのであった。うーん。いい買い物してますなあ。ぽんさんはそのうち眠ってしまう。わしも眠ろうと試みるも、興奮醒めやらぬというのか眠れない。以前から乗り物では全然眠れないのだ。こうなるといつものようにあちこち見回してしまう。「JRで92分」という謳い文句の新興住宅地の広告が目に止まる。はあ。そこまで来ればあと92分なのですな。
名前は忘れてしまったがその駅に着く。あと92分だ。ぽんさんが「今どこら辺ですか」と眠そうにおっしゃるので「どこそこです。ほら。あと92分だそうですよ」とうれしそうに答えておいた。で、これまたどっかの駅に着いたとき、ぽんさんは飲み物を買ってきてくださる。
ぽ | どうぞ。 |
あ | あ、どうも。ありがとうございますう。 |
ぽ | それから。……切符代です。 |
あ | え。そんな、いいですよ。青春18切符のあまりなんですから。 |
ぽ | いやいや。安いものじゃないですから。 |
あ | で、では、遠慮なくいただいときます。 |
ぽ | ではでは。 |
あ | 2,300円ですか。これでまた薄くて高い本を買いに……ってそうじゃなくて。 |
ぽ | あはは。 |
あ | 財布の中身がもうしゃれになってませんからね。ありがたく頂戴します。 |
で、終点に到着。ぽんさんと別れる。カレーの国集会における長い一日であった。二人は目指す方向へ歩き出す。
とんでもない旅行だったけれども、お互いを知るための時間が取れたと思う。どっかに集まって酒を飲んで解散する、っていうのとは全然違う体験ができた。ちょこさんのご家族にもお会いできた。去年の10月におかざきさんとどどさんとでやった東洋民俗博物館+アジアコーヒ集会にも似た濃い集会。人数が少ないのでやたらと話ができる。ついでに朝早くから夜遅くまで続く。疲労困憊の中で会話をする。話がわんさかできるオフ会をまたやりたい。
あずまにおっしゃりたいことがありましたら お手紙ください
上にまいります