トップ/カタログ/1型(1983年)
 


ロードレース世界GP500ccクラスにおいて、7年連続チャンピオンのスズキが、ニューマシンを登場させた。
誕生、RG250Γ。あのRGΓが刻み続けた、栄光のウイニング・ヒストリーをロードに引き継ぐマシン。
ワークスカラーに彩られたその勇姿には、45馬力の高性能水冷2サイクル・エンジン、
乾燥重量131kgを実現した市販車世界初、アルミ角パイプ製フレーム"AL−BOX"。
驚異のハンドリングを生む16インチ・フロントホイール、ダブルANDF、MICHELINタイヤ、
そして、フルフローターサスなど、栄光のテクノロジーをフル装備。
新たなる、ウイニング・ヒストリーが始まる
 
 

「RG250Γは、250ccのRGΓだ」
テストコースでこのマシンを初めて見たとき、スズキはグランプリの250ccクラスにも挑戦する気かと思ってしまった。スピードメーターが付いていることで、やっと市販車だとわかったが、走り終ってもまだ、その印象は消えなかった。ストレートから200Rの第1コーナーへ突入。軽量にもかかわらず路面に吸いつくような安定感を示し続ける。フルブレーキングでヘアピンへ。姿勢変化の少なさは、RGΓと同様だ。驚くほど深いバンク角でクリッピングポイントを通過し、加速。レブカウンターの針は一気に8,500rpmへはね上る。すばらしいレスポンス。パワーウエイトレシオ2.91が示すポテンシャルの高さを実感する。やはりこのマシンは市販車であっても、従来のマとは明らかに違っている。
'82ロードレースGP500世界チャンピオン フランコ・ワンチーニ


このエンジンが世界チャンピオンの実力を示す。

45ps/8500rpm MAXIMUM POWER
RG250「は、パワーの水冷2サイクル・ツイン。
RG250Γのパワーユニットは、水冷2サイクル・パワーリードルブ・エンジン。最高出力は45ps/8,500rpm、最大トルクは3.8kgm/8,00orpm、リッターあたり出力180ps/l以上です。パラレル・ツインのアルミ・シリンダーは、ボア・ストローク54mmx54mmのスクエアで、1気筒あたりの排気量は125cc。
2サイクル・エンジンは1気筒125ccが吸排気効率のうえで理想的。ロードレースGP500ccで世界チャンピオンを獲得しつづける RGΓも同じ理由で1気筒125ccの4気筒としています。しかも、ツインならハイパフォーマンス・エンジンの必須条件である軽量・コンパクトなエンジンになります。さらに、熱ダレを防止し、大幅な高出力化を実現するサーモスタットを装備した水冷システム、吸気効率に優れた大型リードバルブを採用。2サイクル特有の圧倒的な瞬発力に加え、中低速域でのビッグトルク、そして驚異的な低燃費を実現しました。
軽量コンパクトなSRタイプ・ラジエターを装備した、スズキ独自の水冷システム。
ラジエターは、通気抵抗が少なく、小型・軽量なシングル・コアのSR(Single Row)タイプ。集風効果をもつフェアリングに内蔵し、冷却効率を向上させています。強制循環の冷却システムは、ラジエターからウオーターポンプに入った冷却水を、直接シリンダーへ送る、スズキ独自のムダのない設計。オーバークールを防止するサーモスタット、点検・補水が容易なリザーバータンクも装備しています。
レスポンスが鋭いフラットスライド・キャブレター。
レースで実証ずみの、スズキ独自のアルミ製フラットスライド・キャブレターを採用。プレート状のスロットルバルブを持ち、エアの吸入量、流速ともに大きく、混合気をムラなく、す早く霧化。スロットルオン/オフ時の混合気変動が小さく、レスポンスが優れています。
45.3km/l (at 50km/h CONSTANT SPEED)
新開発SIPCで、出力・燃費を大幅に向上。
新開発のSIPC(Suzuki Intake Power Chamber)。シンプルそのものの構造で、2サイクル2気筒エンジンの出力と燃費を一挙に向上させた画期的なメカニズムです。その構造は、各気筒のマニホールドを、中間部を絞ったパイプ状のSIPCで 連結させています。両マニホールド内に生じる圧力差によって吸気干渉が生じ、正圧側(+)に充填されている新気ガスがいきおいよく負圧側(−)に吸いこまれます。その結果、混合気の吸入量が増大し、出力・燃費を大幅に向上します。また、高速域では、クランクチャンバーからの吸き返しガスをもう一方のマニホールドに吸入できるため、出力の低下をおさえ、回転のノビも向上させます。
3.8kg.m/8,000rpm MAXIMUM TORQUE
燃焼・排気効率を大幅アップ多段膨脹マフラー。
多段膨脹マフラーは、排気管を段階的に膨脹させることで、多段膨脹でないものと比べて、負圧の発生を長く、大きくすることが可能となり(Aの部分)、排気ガスの吸い出し効果を高めます。さらに、排気の脈動により、新しい混合気の吹き抜けを防止(Bの部分)。燃焼・排気効率を向上させ、パワーアップを実現します。高性能水冷2サイクル・エンジン、フラットスライド・キャブレター、新開発SIPC、そして多段膨脹マフラー。スズキの2サイクル技術パワーを全力投入したとき、世界チャンピオンの実力がどれほどのものか、RG250Γが語ります。



市販車世界初、アルミ角パイプ製フレーム"AL-BOX"
40%DOWN FRAME WEIGHT
軽量・高剛性。
アルミ軽合金角パイプ製フレーム"AL-BOX"。

RG250Γは、市販車で世界初のアルミ合金角パイプフレーム"AL-BOX"(Aluminum-Boxsection)を採用。乾燥重量131kg、パワーウエイトレシオ2.91と、驚異的な軽さを実現しました。アルミ角パイプフレームは、きわめて高い強度・剛性をもち、しかもスチール製パイプのフレームに比べ40%以上もの重量軽減が可能です。スズキは、RG250Γの"AL-BOXフレームのために<MR787>という特殊アルミ合金材を開発しました。<MR787>は一般のアルミ合金と比較して強度、溶接の美しさなど、あらゆる面で優秀な材質です。フレーム形状はRGΓと同じ構造をもつダブルクレードル。コンピュータによる応力解析を始めとした合理的な設計でいっそうの軽量化と高剛性化がはかられています。エンジンの懸架はラバーマウント方式の3点支持。外周が特殊形状のラバーを採用することで振動を効果的に吸収します。
際立つ操安性と、快適な乗り心地。
オンロード専用設計のフルフローターサス。

クッション・ユニットの両端をフレームに直接固定せず文字通りのフローティング(浮動)構造をもつフルフローター・サスペンション。
一般走行ではソフトに、ハードなコーナリングで大きなGが加わると高い減衰力を発生し、力強く反応する、プログレッシブなクッション特性を示します。さらに、フルフローター・サスペンションは、クッション・ユニットの実ストロークを長く確保できるため、エネルギー吸収力が高くなります。したがって、バネ定数の低いスプリングの使用が可能となり、乗り心地、ロードホールデーングとも向上し、優れた操安性を発揮します。大きな実ストローク−この特性が.他のプログレッシブサスにない、フルフローター・サスペンションの高性能を生みだす秘密なのです。RG250Γのフルフローター・サスペンションは、クッション・ユニットを低い位置にセットして重心位置を下げたオンロード専用設計。さらに角パイプ・スイングアーム、クッション・ロッド、クッションレバーにアルミ軽合金を使用し、バネ下重量の軽減、車両の軽量化を果たしました。
RCPL(Remote Controlled Pre Load)
リモートコントロール・プリロード

クッション・ユニットのスプリング・イニシャル調整を遠隔操作できるRCPLを装備。サイドカパー下部のコントローラーで自在に調整できます。





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