クサカゲロウ(1)

 クサカゲロウを飼育してみよう

クサカゲロウ成虫

優曇華の花としてこのシリーズの最初に紹介したのが、クサカゲロウの卵でした。 クサカゲロウは体長3〜4cmの美しい羽虫で、卵の美しさとともに愛されている昆虫だと思います。
昨年は野外で優曇華の花を見て楽しむだけに終わりましたが、今年は思い切って卵から飼育してみることにしました。


 優曇華の花、色々

クサカゲロウ卵塊


優曇華の花で紹介したような、ばらばらに卵を産み付けているものをよく見かけるのですが、 産んだ卵の糸をよじってひとまとめにしているものを見つけました。
クサカゲロウとは、「クサカゲロウ科昆虫」の総称で40種類ほどの種に分かれているそうです。種によって卵の生み方が違うのでしょう。

クサカゲロウ卵塊


上の写真は2003年7月31日のものです。その後もこの卵塊を観察し続けました。

クサカゲロウ卵塊 孵化


8月6日、孵化。一斉に孵化した幼虫はこの後丸一日卵の殻にしがみついてじっとしていました。

クサカゲロウ卵塊 孵化


幼虫の体には細かな毛が沢山生えていますね。

クサカゲロウ卵塊 優曇華の花


翌7日、幼虫は一匹を残してみんな卵塊から離れていきました。このタイプの卵塊は、ばらばらに生み付けられているものより一層「花」という趣が出て美しいですね。


 2003年7月28日、飼育スタート。

  卵の糸をよじってまとめてある卵塊は、上で紹介した以外にも3カ所で見かけました。しかし沢山幼虫を飼育するのは負担が大きいので、 わたしは麦の穂に3個だけ卵がついているものを取ってきてこれを飼育することにしました。

飼育スタート


孵化するまでは麦の穂ごとアクリルケースに入れておきました。スタート時点で既に卵の色が黒っぽくなってきていたので、もうまもなく孵化するでしょう。
(初公開、わたしの職場の机の上です。データを打ち出した紙や培養途中のカビ(試験管)やシャーレをいつも置きっぱなしにしています。 あまつさえここでお茶を飲みお弁当も食べます。虫もたいていここで飼育しています。毛虫を見ながら食べるお弁当も乙ですよ。)

幼虫


幼虫


翌7月29日、3匹とも孵化しました。まだ体長が1mmにも満たない大きさで頼りなくうろうろしています。アブラムシを餌に与えました。
(幼虫のバックグラウンドの白っぽいものはアクリルケースについていた細かな傷です。)


 幼虫は食べ終わったアブラムシのカスを背負います。

2003年7月30日
幼虫


孵化から一日、一度脱皮したのではないでしょうか、一回り大きくなり肉眼でも顔がわかるようになりました。まだ体はアブラムシより小さいくらいですが、 食べたようです。幼虫の背中にアブラムシの死骸が乗っています。

2003年8月1日
幼虫


ものすごい勢いでアブラムシを食べているようです。写真中央のゴミの塊が、クサカゲロウの幼虫が担いでいるアブラムシの死骸です。 この下に幼虫がいるのですが、ほとんど姿が見えません。写真左下の灰色のひからびた虫のようなものは、クサカゲロウの幼虫に 体液を吸われたアブラムシです。クサカゲロウの幼虫は噛みついて体液だけを吸い、食べ終わったアブラムシの殻を背中に乗せているのです。
野外でもこうしたゴミを背負っている幼虫を見ることができます。一見ゴミがあるようにしか見えないので、天敵の目を欺くためだと思いますが、 「アブラムシの死骸を背負うことでアブラムシの臭いを発散させ、蟻から攻撃されないようにしている」という説もあるそうです。
確かにテントウムシの場合は、アブラムシを食べようとして逆に蟻に攻撃されてしまっている様子をよく見かけます。
この説は今のところあくまでも「一説」としてあげられているだけで最終的な確認はされていないそうです。

2003年8月2日
幼虫


クサカゲロウがアブラムシを捉えたところ。体長は5mmほどになっています。
この頃までは3匹いたのですが、この後幼虫は2匹になってしまいました。途中で死んでしまったようですが、ゴミを背負っているので死んだのにも気がつかなかったようです。



幼虫


上の写真は野外で見かけた別のカゲロウの幼虫です。こちらは体長が3cmほどある大型のもので、体表面もつるりとしていますし、ゴミを背負っていません。 カゲロウにも色々な種類があるのですね。クサカゲロウの幼虫に沢山毛が生えているのは、ゴミを引っかけるためなのかもしれません。


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